自然界に存在する物質は、気体、液体、固体のいずれかの状態をとっている。物質の温度を上げると、一般に固体、液体、気体の順に三つの状態を取る。ところが、ある種の物質では、固体結晶が溶けて液体になる前に、固体結晶や液体のいずれとも異なる中間の状態をとる場合がある。 液晶は、結晶のように分子が規則正しく並んでいるわけではないが、まったく不規則になっている液体に比べると、固体結晶のように、その加える方向によって異なった効果を示すという性質(異方性)を持っている。 流動性という液体の特性と、光学的異方性という結晶の特性とを兼ね備えているという点で液晶は極めて特異な状態である。 <液晶の分類> 液晶には、主に細長い形をした分子が一定方向にそろって配列しているものと、円板状の分子構造をとるものがある。 棒状 分子の形 円盤状 また、液晶には、ある温度範囲で液晶状態が見られるもの(サーモトロピック液晶)と、