経済学は「科学」だろうか? 頻繁に書き変わる教科書は、物理学のと好対照を成す。経済学の研究者は好きなことを勝手な方法で分析し、主張し、何やら数式モデルは出てくるけれど、再現性も説得力も無さそうに見える。 わたし自身、もう経済学の勉強はしていない。なぜなら、やればやるほど分からなくなるから。 現実を追いかける教科書 例えば、経済学の教科書は数年で書き変わる。 『クルーグマン国際経済学 理論と政策』が象徴的だ。3~4年で更新され続け、今冬12版が出る。更新のたび、理論が書き変わり、モデルが追加されてゆく。 世界金融危機やブレグジット、中国の台頭といった新しいトピックに対応していると言えば聞こえはいいが、その度に新しいモデルやパラメーターを導入し、既存の理論との整合性を(ムリヤリ?)取る。 そしてひとたび、想定外の事象が起きたら、「ブラック・スワン」などというカッコイイ名前を付けて説明できたこと