【出版】自転車操業の出版業界に一撃 大手取次、新刊配本カットの波紋2010年4月10日 筆者 星野 渉 このところ出版業界はどこに行ってもデジタルの話題で持ちきりだ。それは、一昨年以来の世界不況による雑誌広告の激減、昨年春に表面化したグーグルブック検索訴訟和解問題と、それに呼応するかのような国立国会図書館のデジタル図書館構想の進展、そして世界で初めて市場に受け入れられた電子書籍端末アマゾン「キンドル」の世界発売、といった外からの動きが、一気に電子出版時代(既に古くさい表現だが)の到来に現実味を持たせたからだ。出版社はコンテンツのデジタル配信への準備を始め、取次、書店は今後の成り行きを固唾をのんで見守っている。 しかし、ここではデジタルの喧噪からはひとまず離れ、現実の出版業界で大きな転機が訪れたことを予感させる出来事について書こうと思う。 ◆日販が仕入れ部数を抑制 「新刊委託」5%カット 今