イギリスと同様、フランスにもメイドや執事がいましたが、大きなちがいはありません。 ・雑役女中 プチブル(中流の下)家庭で働くメイド。同僚はなく、一人で家事をこなす。仕事はかなりハードで、朝から晩までひたすら働き、夜はアパルトマンの屋根裏部屋で眠る。台所仕事、掃除、奥さまの身繕い、裁縫、(トイレが各部屋になく)主人のおまるの始末、買い物、下着の洗濯、重いバケツを持って水汲み……などなど。 メイドといえば雑役女中というほど、当時のパリにはたくさんいました。メイドを雇っていなければ、プチブル階級とみなされないため、生活が苦しくても雇うことがステータスのひとつでした。イギリス同様です。 上流階級になると、屋敷に大勢の召使を雇っていました。 1906年ミュラ大公の例。 ・食事関係:料理長1名、助手3名、料理女中1名、見習い1名 ・受付および配膳関係:給仕長1名(執事)、銀器係1名、受付ボーイ2名、受