ガキの頃、うちは本当に貧乏だった。 普通に貧乏って言葉じゃ片付けられないレベルの貧乏で、学校指定のものが買えないなんて当たり前。 新品の文房具もないし、体操服もみんなと違ってた。 狭いアパートで親子三人暮らし。家賃だってギリギリ払えるくらいの生活。外食なんてほぼしなかったし、よくて月に一回。父親の気まぐれでスーパーの惣菜コーナーの半額品を買ってくるのがせいぜいの贅沢だった。 だから子ども心に覚えている一番豪華な食事は、親戚の法事の時に出された仕出し弁当。そんくらい、うちは金がなかった。 クリスマスなんてほんと酷かったよ。 今でも覚えてる。 貧乏って分かってても、クリスマスとなれば多少は期待するんだよ。 もしかしたら今日はケーキが食べられるかも?ってな。 だが現実はどうだ? 親父が買ってきたのは半額シールが貼られたスポンジケーキ。 その上にかけたもの、何だと思う? 歯磨き粉だよ。マジで。 冗