有料老人ホーム業界では、規模の拡大を図る大手各社に対抗すべく、中堅事業者がファンド(基金)の力を借りて“共闘”を組むケースも登場した。その道筋を付けたのが、日興コーディアルグループの子会社で、ベンチャー企業への投資などを担っている日興アントファクトリーだ。 持ち株会社上場を目指す 同社は2年ほど前に、成長性は高いが事業拡大には多額の資金が必要になる有老ホーム事業に着目。投資家を集めてファンドを組成し、有望な事業者へ投資することを決定した。2004年10月には、関東地方を中心に20施設弱を運営するメディスコーポレーションに出資し、将来、同社を上場させて利益を確保しようと考えた。 ただ、中堅事業者は一定地域での展開を基本としており、短期間に施設数を増やすのは難しい。その半面、制度改正や介護報酬改定などの影響を極力避けるためには、スケールメリットを生かせる規模の拡大が必要になる。 日興アントファ