今年1月に就任したばかりの米トランプ政権だが、着任早々矢継ぎ早に大統領令に署名し、バイデン前政権の政策を次々と覆して米国内を驚かせた。 複数の国に高関税を課すとともに、米国の対外援助の大半を90日間凍結する大統領令も出し、政府は海外援助団体への助成金のほぼ全額の支払い停止を決めた。 政権発足前、すでに米テック大手はトランプ氏に擦り寄るような姿勢を見せたが、その頂点に位置するのが富豪のIT起業家イーロン・マスク氏だ。トランプ大統領はマスク氏に「DOGE=政府効率化省」を担当させ、政府予算の大幅削減が進んでいる。そのやり方があまりにも乱雑で、政府機能の一部が不全化していると伝えられている。 筆者が住む欧州も、「トランプ・ショック」の真っ最中だ。 トランプ氏は、3年前から続くウクライナ戦争でロシアに侵攻された側のウクライナ・ゼレンスキー大統領を「独裁者」に例えたかと思うと、第2次大戦後80年近く