元プロ棋士の「ひふみん」こと加藤一二三九段が、『天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生』(日本実業出版社)の刊行記念イベントにて講演を行いました。「神武以来の天才」と呼ばれた加藤氏が、自身の生い立ちや大学時代など、さまざまなエピソードを披露。羽生善治永世七冠や藤井聡太四段など話題の棋士たちにも触れながら、自身の将棋人生を振り返りました。 大山康晴名人との王将戦 加藤一二三氏(以下、加藤):私の経験で言いますと、大山先生と僕とはけっこう張り合ったんだけれども、おもしろいことを一生懸命、真剣にやりましたね。大山先生が僕と戦ったときにこうくるんですよね。 2日制のタイトル戦で、昭和42、3年あたりですよ、王将戦。大山先生が2日制の対局で、午後3時くらいに言うんです。2日制の将棋なので、夕方に休憩に入るのが規則です。 ところが、大山康晴名人いわく「この将棋はものすごく激しい戦いになっていて、2日制の