(2)「外患」 暴力・訴訟 しぼむ熱意 1月の夜、東京都墨田区の白鬚橋病院救急センターに怒声が響いた。 深夜、ソファで休憩する医師。10分後、急患で起こされた=兵庫県内の救命救急センターで 「何でおまえみたいな若造が診るんだ。バカにしているのか」。泥酔者だ。当直は29歳の男性医師。「金、土の夜はいつもこう」。けられ、胸ぐらをつかまれたこともある。 「酔っぱらいセンター」。週末、院内では自嘲(じちょう)をこめてこう呼ばれる。昨夏は、頭から出血した泥酔者が診察室で暴れ出し、ほかの患者が避難。警察が呼ばれた。患者が落ち着くまでは救急隊員も離れることができない。その日は同じような来訪者が続き、病院前に救急車が5台並んだ。 壁をけり、穴を開ける。点滴台を振り回して威嚇する。暴れて心電図モニターを壊す――。すべてこの1年に起きた。 ■ 長野県の救命救急センターでも刃物を持った男が暴れる「事件」があった