2023年12月実施の英語教育実施状況調査で示された中学3年生(手前)と高校3年生(奥)の英語力。自治体間でばらつきがあり、特に中3で顕著だ=仙台市で2024年6月24日午後5時3分、小川祐希撮影 宮城県の高校3年生の英語力は全国最低――。記者(37)が勤務する仙台市の地元メディアで5月上旬、こんなニュースが報じられた。学習塾が多い大都市の仙台があるのに、なぜ宮城が全国最低なのか。疑問に思い取材をすると、調査の根本を揺るがしかねない意外な答えが見えてきた。 ニュースで取り上げられたのは、文部科学省が全国の公立小中高校を対象として毎年末に行う英語教育実施状況調査だ。国が求める英語力の水準に達している生徒の割合などを調べ、都道府県や政令市ごとの結果を公表している。 国が求める水準とは、中学卒業段階で語学力の国際指標「CEFR」のA1レベル相当(英検なら3級)以上、高校卒業段階でA2レベル相当(