俺ら東京さいぐだ 東京へ出たなら銭コア貯めて 東京でロックンロール演るだ そんな野望のもとに 北海道の片田舎から上京した少年は 二年間の専門学校通いと 三年間の仮面会社員生活を送る その合間に 音楽活動を行ってゆくにあたり必要な 基礎となる知識と経験 そして十分な資金を貯めた ここまでは 親の目を欺くためにやって来た ここから先は 自ら想い描くスタイルで音楽活動をする 務めていた会社を辞めることは 親の了承を得られたが そこには ひとつだけ条件があった 再就職先に関しては 家業と同じ業種であること だがそれでは 制限が多すぎるのだ 私にそのつもりは毛頭ない 会社勤めしながらでも 音楽中心に動けるのであれば わざわざ転職なんてしません 私は埼玉から神奈川へ拠点を移し 晴れてフリーターとなった 「チャーリーズ・バー」という カラオケスタジオで働くのだ 親には 再就職先が決まったことだけを告げ