自殺者数のレベルは本当に増えたと判断してよいのかというのがこの図録作成のテーマである。この図録で言いたかったことは年齢別自殺率の長期推移でも表現されているので参照されたい(図録2760)。 1998年以降2010年ごろまで自殺者数がかつてない規模の毎年3万人水準という異常事態が続いていた。図録を作成した2013年当時と異なり、タイトルは「自殺は本当に増えていたのか」に変えた方が適切であるが、作成当時そのままにしている。と考えていたら、コロナ禍による自殺増の状況となり、再度、当初の表題が少し当てはまってきている。 自殺者数が3万人レベルと増加した理由は、同時期に深刻化した社会環境の変化に求められるというのが一般の理解だった。自殺対策もこうした理解から導かれている場合が多い。 以下は「自殺3万人切る 社会全体で取り組みを」と題された毎日新聞の社説(2013年1月27日)であるが、こうした一般的