六車由実(むぐるま・ゆみ) 1970年、静岡県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。民俗学専攻。東北芸術工科大学東北文化研究センター研究員、同大学芸術学部准教授を経て、現在、静岡県東部地区の特別養護老人ホームにて介護職員として勤務。 論文に「人身御供と祭」(『日本民俗学』220号、第20回日本民俗学会研究奨励賞受賞)。『神、人を喰う――人身御供の民俗学』(新曜社、2003年)で2002年度サントリー学芸賞受賞。 『クロワッサン』(マガジンハウス、2011年1月10日、25日発行号)「おんなの新聞・介護」に2号連続で取材記事掲載予定。 幻聴幻視あれこれ 認知症の方の周辺症状のひとつに、幻聴や幻視などの幻覚症状がみられる場合があると言われている。実際に、私が施設で接している利用者さんのなかにも、私たちには聞こえない声が聞こえたり、見えないものが見えたりする方が何人もいる。まずは、