「異能の経営者」とも呼ばれる伊藤忠商事の岡藤正広社長。繊維部門の出身でブランドビジネスを手がけてきただけに、ファッションには一家言を持つ。前回掲載「ニッポンのビジネスマン、なんで服に関心ないんやろ」に続き、岡藤社長にファッションとビジネスについて聞いた。 ――自宅には数百着のスーツやジャケットがあると聞きました。 「もう、どんどん捨てていっているからね。いまはファッションがどんどん変化しているでしょ。全体的にシルエットがタイトになっているんじゃないかな。だから昔のやつを着ているとダサく見えるわね。そういうトレンドに敏感に反応しないで、昔のダボダボな服を『楽やから』といって着ていたらあかんわな」 「もちろん、ちょっとタイトだと窮屈やけど。でも、見ただけでわかるんだよね。若い人が着てる細身のやつを、そこそこの年いっている人が着てたら、『あ、おしゃれに関心あんな』って。昔のダボッとしたのを着てい