あの頃の私はなんで有名になりたかったんだろう。 過度な期待を背負い、プレッシャーとも常に戦い続けなければならない。 才能なんてない。才能があると言っているのは周りの人間だけだ。 自分でそう感じたことなんて一度もない。 それでももてはやされて、だから期待に答えなければ見捨てられる。 努力して、努力して、でも努力していることは表にだせなくて、 「才能がある」と振舞わなきゃいけない。 結果がでなかったら地獄だ。 どんなに努力しても結果がでないこともある。 みんなそうだと思うけど、有名人であるがゆえ叩かれる。 「あいつはもうだめだ」 「あいつの時代はおわった」 と。 ついさっきまで私に笑顔で話していた人も 私がいなくなると他の人と私の文句で会話に花を咲かせている。 優しそうな目で近づいてきて 当たり障りのない会話をして、仲良くしてきて、 こちらが少し心を開いて、悩みなんて打ち明けてしまったら、 次