米フロリダ州中部オーランドで08年に当時2歳の娘を殺害したなどとして死刑を求刑されたケーシー・アンソニー被告(25)が今月5日、殺人罪で無罪評決を受けた。愛くるしい笑顔の犠牲者が無軌道な生活を続ける若い未婚の母親に殺されるストーリーにメディアは飛びつき、被告一家のプライバシーを暴き立てた。それはフェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアで全米中に増幅された。6週間に及んだ公判は「世紀の、ソーシャルメディアによる裁判」(米タイム誌)となったが、陪審は冷静な結論を導き出した。【ニューヨーク山科武司】 ■ケーブル局の「突出」 「逮捕してほしい人がいます。私の娘です」。08年7月15日、フロリダ州警察への911番(日本の110番)が事件の始まりだった。ケーシー被告の母、シンディーさん(53)からの通報だった。クレジットカードと700ドル分の小切手を盗んだ娘を告発し、孫娘のケイリーちゃんに