その昔、フランチェスコという青年がいて、たいそう裕福な家に生まれたのだが、ある日、現代語(ヘブライ語ではない)で書かれた聖書を読んで、なにもかも を捨てて、荒れ野の教会に暮らすようになった。自分はなにひとつ所有せず、ぼろ布だけをまとい、やぶれてきたら繕ってまたまとい、病む人、貧しい人の世話 をして、聖書を読んで、そうして暮らした。私はフランチェスコに会ったことがない。会ったことがない上に、彼が生きた時代はずっと昔である。おぼろげにし かフランチェスコの実体は私の脳内で像を結ばず、だからこそ、とんでもなく気儘に私だけの像を結んでいたのかもしれない。 「とてもふつうの人で神様の愛を信じてとても素朴に暮らしました」 そんなふうに思い、そんなふうな像は私にいつも涙させた。かなしみの涙ではない。哀れの涙でもない。では、なにの涙であるのか、その正体の一部だけでもと らえたくて書いた物語を『受難』という
『リアル・シンデレラ』ができるまで 2010・3・21 姫野カオルコ 読者ならびに関係者各位。 久しぶりに長篇小説を上梓することができました。 病気療養中はお見舞いをありがとうございました。 また読売新聞の介護記事「ケアノート」や『もう私のことはわからないのだけれど』を読んでの、励ましのおたより、まことにありがとうございました。母親はこの二月末に他界いたしました。ご丁重なお悔やみ、いたみいります。厚く御礼申し上げます。 ***** 2006年の夏から2009年の夏まで体調を崩していた私でしたが、おかげさまで現在は良好です。 07年から08年は、先行きがまったく見えず、どうなることかと思いましたが、みなさまの励ましで仕事に復帰することができました。手術も、検査中の予定より大がかりなものにはならずにすみました。 昨夜(3/20)は春の嵐が吹き荒れました。が、朝には東京では晴れ間も見え、比較的穏
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この人の作品にふれる のも2冊目だ。前回と変わらぬ感想を抱いてしまうなあ、姫野カオルコは凄い!って こと。 主人公は修道院で生まれ育ち現在は在宅でプログラマーをしている30過ぎで処女の 女(名前はフランチェス子)。望んだわけではなく、処女 のまま生きてこざるを得なかったルックスらしい。主人公のルックスについては彼女 を罵倒しまくるパートーナーのセリフにより知ることが出来る。パートーナーは男。 しかし、こいつは人面瘡で、あろうことか主人公のオ××コに住みついているのだ (名前は古賀さん)。いわゆる「つまらない」人生の王道を行くような暮しを日々送 る主人公と同棲しながら、何かにつけて「女としてダメだ」ということを主題におい て罵詈雑言を浴びせつづける。「男がヤリたいと思わない、よって失格だ」とか「恋 人が居ないのではなくて出来ないのだ」とか、現代日本に生きる女の子にとっては暴 力にも似たような
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