よく眠れるようにと、就寝前にお酒を飲むことを「寝酒」と呼びます。睡眠の専門家は「アルコールの摂取は睡眠の質を下げる」と言い続けていますが、なかなか理解されていないようです。寝酒が睡眠の質を下げる理由と、それを防ぐ夜のお酒の飲み方について、睡眠研究の第一人者である内村直尚・久留米大学教授に聞きました。【毎日新聞医療プレミア】 日本を含む世界10カ国の3万5327人を対象に睡眠に関連する行動を調査した研究では、寝酒をする日本人の割合は30.3%でした。10カ国の平均が19.4%ですから、大きく上回ることが分かっています。日本人の「寝酒信仰」は強いようです。 ◇なぜ、お酒を飲むと眠くなるのか 寝酒を習慣にする人にその理由を聞くと、多くの方が「ぐっすり眠れるから」と答えます。確かにお酒を飲むと眠くなるので、そう思ってしまうのも仕方ありません。 神経細胞の間で情報を伝える物質を神経伝達物質といいます