The Daughter from California Syndromeという概念があります.皆さんはこの疾患名を聞いて,どのような疾患を想像しますか? 病院は全員が元気になる場所ではありません.岡山大学病院高度救命救急センターにも,高齢や悪性腫瘍や慢性疾患の末期,心筋梗塞や脳卒中で回復が見込まれない患者さんが来ることも少なくありません.そういう場合には,患者さんのご家族,患者本人に予後不良である旨を説明し,医療チームとくり返し話し合いをする過程で,人生の終末期に過度な医療が行われることを避け,穏やかに最期のときを迎えることを提案することがあります.この過程を,終末期医療におけるACP(Advance Care Planning)といい,研修医の先生に必ず知っておいていただきたい言葉です. こうやって,何度も話し合いをして決めた方針があるにもかかわらず,遠方に住む娘(あるいは息子)が突然