イスラエル、ガザ支援機関の活動禁止法案可決 数百万人に壊滅的な影響の恐れ
(CNN) イスラエルのクネセト(国会)は28日、約80年にわたりパレスチナの避難民に必要不可欠なサービスを提供してきた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法案を可決した。これはイスラエルの占領下で暮らす数百万人のパレスチナ人にとって壊滅的な結果をもたらす可能性がある。
クネセトは二つの法案を可決した。法案はUNRWAのイスラエル国内での活動を禁止するものと、イスラエル当局がUNRWAとの接触を禁止するもので、UNRWAがイスラエルの支配下にある地域でパレスチナの避難民にサービスを提供することを認めた1967年の条約を無効にする。
今回の採決は、クネセトのアラブ系議員の激しい反対と西側諸国からの強い国際的圧力にもかかわらず強行された。一つ目の法案は賛成92票、反対10票で承認され、二つ目は賛成87票、反対9票で承認された。
米国を含む複数の国は、同機関に依存する数百万人のパレスチナ人の教育、食料、医療、生活に影響を与える可能性があることから、この禁止法案について深い懸念を表明してきた。
米国務省は採決に先立ち、UNRWAが「パレスチナ自治区ガザ地区で今まさに置き換えることのできない役割」を果たしているとして、イスラエルに同法案を可決しないよう求めていた。ブリンケン国務長官は以前、イスラエルに対し、この法案可決は「米国の法と政策のもとで影響を与える可能性がある」と警告していた。
イスラエルは長年、UNRWAの職員の一部がイスラム組織ハマスと関係しており、同機関が運営する学校ではイスラエルに対する憎悪を教えていると主張。同機関の解体を模索してきた。UNRWAは「『組織全体』に(ハマスが)『完全に入り込んでいる』とひとくくりに説明する根拠はまったくない」として、これらの非難を繰り返し否定している。