私がアニメ放送の「SHIROBAKO」を見たのは、放送終了から約1年経った、2016年冬のことだった。 知人が面白いと言っていたし、ちょっと見てみるか。ふーん、アニメ業界のお仕事ものなのか……。そんな軽い気持ちで1話を鑑賞した私は、そこから一気に24話まで、テレビにかじりついて見終えてしまった。 同じ高校のアニメ同好会で、アニメを自主制作していた5人の女の子たち。彼女たちは将来、仕事としてアニメ制作に携わり、一緒にアニメを作り続けようと約束する。数年後、武蔵野アニメーション――通称ムサニの制作進行として働きはじめた主人公・あおいを中心に、5人が夢を追う姿、アニメ制作の裏側を描いたのが「SHIROBAKO」だ。「働くとは何か?」という問いについて、真正面から取り組んだ作品でもある。 大学卒業を控えた当時の私は、働くことについて悩んでいた。「好き」を仕事にしたあおいを見たとき、「私はこんな風に