経済産業省が、民間企業への「介入」に踏み切るようだ。今年1月に施行された「産業競争力強化法」に基づいて、供給過剰になっている石油業界の再編を促すために、市場調査に手をつけるというのだ。経産省は石油業界の各社に、年内をめどに合理化計画などの提出も求めるという。 政府が民間企業の経営に口を出す---これは「いつか見た風景」である。今回の政府の行動の根拠になっている産業競争力強化法を見ても、かつての高度成長期に跋扈し、二十数年前にぱったりと姿を消した日本的産業政策が、ちゃっかりアベノミクスの中で復活したことがよくわかる。 「これでいよいよ経産省の復権だ」 元通産省(現経産省)事務次官の某氏はこう言って、手放しで喜んでいたほどである。 では果たして、これで日本の石油業界は見事に「復活」するのだろうか。 日本では、産業政策によって高度成長したという神話があるが、実は最近の研究では、日本的な産業政策の