深夜のタイムラインが好きです。 いつもは告知やニュースで溢れる文字列の波も、深夜になるとすっと引きはじめ、代わりに1・2行のどうでもいいツイートであふれかえる。それに伴い、インターネットの喧騒もしばしの休息に突入する。もし、深夜に大事な告知が行われたとしても、それはそれで狂気の沙汰なので歓迎です。 眠れない・または元から昼夜逆転している人間たちと毎晩顔を合わせていると、どことなく仲間意識が発生する。気分によっては、ふだん滅多に送らないリプライなんて送信してしまう。まるで、ひとつ屋根の下みんなで団結して夜を越えようとしている錯覚すら起きる。このダメな人間たちが集まった部室のような空気が孤独を和らげます。 夜の静寂がそうさせるのか、はたまた睡眠薬や不眠で曖昧になった脳みそのせいなのか、普段はお硬いツイートをしている人たちに感情が現れる。人が少ないからと油断して流れてくるポエミーなお気持ちや思い
コンビニのレジ係が外国人で、そのうえ「トレーニング中」の札がついていたりすると、だいぶ日本語がおぼつかないときがある。 コンビニのレジ係が外国人で、そのうえ「トレーニング中」の札がついていたりすると、だいぶ日本語がおぼつかないときがある。しかしやりとりで困ることはほぼない。 「ティーカドゥアムチデスカ?」 「あ、大丈夫です」 「サービャクゥーニエンデス。フーロァケマッカ?」 「お願いします」 「マタコシァセー」 発音は不明瞭でも、これまでの経験と文脈から「Tカードはお持ちですか?」「392円です。袋お分けしますか?」「またお越しくださいませ」と言っていることはわかる。しかるべきタイミングでそれっぽい音さえ発していればコミュニケーションはなんとかなるものである。 先日、外に打ち合わせに出かけた。 「いってきます」 会社に残る者たちは、パソコンから目を離さず言葉をかけてきた。 「…サス」 「…
8月24日、東京ドームにある歌が流れた。その歌の歌詞はまるで別の意味を持っているようだった。この日、2位巨人に勝利した広島カープに優勝へのマジック20が点灯した。優勝マジックが点灯すること自体が広島カープにとって25年ぶりの快挙だった。 学生時代を広島で過ごした僕にとって、広島カープは特別な存在だ。あまりファンじゃなくてもファンになってしまうような、そういった土壌が広島にはあった。言うに及ばず、やはり大学の教授陣や職員たちもカープファンであることが多かった。みんな口には出さないが、カープの快進撃が続くと嬉しそうだったし、負けが込んでくると悔しそうだった。 定年間近のお爺ちゃん職員さんがいた。彼は実習工場と呼ばれる場所に常駐する職員で、我々学生や職員が実験に使用する機械なんかを依頼に応じて製作する役割を持っていた。作業所の一角に部屋を構え、油の匂いが充満する狭い室内に旋盤やらボール盤やらが並
大将がうちに来て二日が経ちました。 大将が焼いてくれる肉、野菜、魚。 どれも美味しい。スラムにいた頃が嘘の様な食生活。 そんな大将と二日過ごして”弱点”が見えてきました。 それは「しまえない」事です。 大将は生活をあっという間に蝕んでいきます。 朝はパン。昼はアジ。夜は焼き鳥。 明日も大将は食材を美味しく焼いてくれるんだろうな。 そう思うと箱に一旦しまって戸棚にいれるタイミングが来ないのです。 振り返るとそこにいつも大将の目があるんです。 凄いです大将は。強くて、クールで度胸もある。初めての焼肉も美味く焼くし、今度はチャーシューの炙りまで。 その大将の目が聞いてくるんです。 「オルガ、次は何を焼けばいい。次はどんな食材を焼かせてくれるんだ」 ってな、あの目は裏切れねえ。 カセットコンロやホットプレートの様にたまに出しては箱に入れて戸棚にしまう。 そういった運用を考えている方にはオススメでき
母方の祖母が亡くなって、ひと月経った。四十九日の法要が近づいている。 極々簡単にプロフィールをご紹介いたしますと、祖母は東京生まれ東京育ち、姉妹揃って気が強かったそうだ。田舎へ疎開してきて祖父と結婚した。 両親が共働きだったため、幼い頃はこの祖父(小言担当)と祖母(小言担当)が面倒を見てくれた。 母の味と言われると特に思いつかないのだが、祖母の味と言われれば煮物やらオムライスやら色々出てくる。 特にきんぴらと煮物は習っておけば良かったなあと思っている。 祖母は骨折とインフルエンザが引き金で、10年近く寝たきりだった。ここ数年は痩せて縮んでしまって、話もできない状態だった。 ちなみに祖父はその2年後、盛大に転んで老人ホームに入っている。 臨終に駆けつけてみると、本当に臨終だった。ああ、もう数日中には死んでしまうのだなと思った。 父は持ち直すかもなどと言っていたが、こりゃ無理だろうと思った。数
さて、過去に3回ウンコ漏らした増田です。2年ぶり4度目の登場です。お久しぶりです。 http://anond.hatelabo.jp/20111212011721 http://anond.hatelabo.jp/20111227010115 http://anond.hatelabo.jp/20140309231305 駐車場で2年前に下痢便ブチまけてからの久々の失態です。 みなさんのはげましのおかげもあって、先日第二児が誕生しました。女の子です。 この夏生まれたところなのでまだ生後2週間くらいの新生児なのですね。沐浴という段階です。 それは退院してきて1週間、はじめてパパが沐浴担当になった夜のことでした。 せっかくの休日でしたので、夕食ににんにくが効いたステーキをたらふく食べた私は、少しビールを飲んだこともあり食後に30分ほど低血糖発作かな?というレベルで寝てしまいました。 妻に「○○
私はお酒がほとんど飲めない。ビール一杯程度で顔が真っ赤になるし、それ以上飲むと酔うどころか気持ちが悪くなる。そういう体質なのだろう、と思っていたし、「酔う」という感覚を味わったことがなかった。 初めてその感覚を知ったのは、36歳のときだった。歌舞伎町の風林会館という会場を借りたクラブイベントで、誰がおごってくれたのかわからない大量のテキーラのショットが回ってきて、あまりにもその場が楽しかったのでつい2杯ぐらい飲んでしまった。そしたらてきめんに酔った。酔いながら「あ、これが酔うって感覚なんだ」と思った。知り合いに会ってはハグし、知らないダンサーの女の子に「あなた最高! これ飲んで!」ってビールおごったり、普段の自分からは想像もつかないほどオープンマインドになっていて、酒が効きすぎて光はまぶしいし、視界も聴覚も狭まるような感覚があったのだけど、そこに聞き覚えのある音が聞こえてきて「あ、これto
県民河川愛護デーには、家の近所や河川敷、海岸の清掃をするのがこのまちの定例行事だ。大家さんから貸し与えられた刈り払い機の試動を済ませ、集合時間の6時少し前にゴミステーションに向かった。二軒隣に住んでいるおじさんがちょうど出てきたところだったので、合流した。 「朝からあっちぇえの」 「ほんとですね、風もねっしや」 通りすがりに、3枚貼られた選挙ポスターをちらりと眺めた。妻が「しげるくんが寝入ろうとするときに選挙カーが通って起きちゃうんだよね」と言っていたのはどの候補だったか。 僕は山際のあぜ道沿い、やや草丈の高い部分を任された。刈り払い機は何度か使ったことがある程度で、まだ手に馴染むようには扱えない。学生の頃、北海道で仕事をしていた頃、どちらともちょっとタイプの違う新しいものだ。ベルトの長さをもう一度調整し、腰を曲げなくても刃先が地表すれすれに届くことを確認してから、強くひもを引いた。試動の
私は、買い物が好きだ。どのくらい好きかというと、海外旅行に行くとき、最初に覚える言葉が「試着できますか?」だというくらい、好きである。けど、買い物について原稿を書くのは、実はそんなに嬉しくない。 以前、雑誌の企画でカリスマ店員さんの接客を受けて買い物をする、というものがあった。買うか買わないかは自由、ただし買う場合は自腹、というおそろしい企画だった。私はそこで、原稿料の10倍ぐらい、買い物をした。他にも何人かが書くページだったのだが、そんなにやらかしているのは自分だけだった。 わかってくれるだろうか。買い物について書くということは、私にとって、どれだけ赤字なのかに直面するということなのだ。別に高いものを買えと言われているわけではないんだから、普通のものを普通に買えばいい……わかってはいる。が、それができていればこんな状況にあるわけがない。 私は見栄っ張りで、お調子者で、血がたぎりやすい。も
ソーシャルネットでの投稿は、特定の友人だけに公開しているように感じてしまう。しかしそれは錯覚であり、インターネット上に個人に関する情報を公開していることにはかわりがなく、個人情報を自分でコントロールできなくなってしまう可能性は常に存在している。我々はSNSの危険性を常に認識しておかなくてはならない。 一つだけ例え話をしよう。 巨大ショッピングモールイオンで、両手に電卓を持ち振り回しながら大きな声で元気良く『電卓デンデンッ! 電卓デンデンデンデンデンッ!!』と延々と唄い続けているオッさんがいたとしたら、ほとんどの人は一刻も早くその場を離れようとすると思う。警備員さんに助け求める人もいるかもしれないけど、それは止めておいたほうが良い。警備員の人の立場になって考えてみよう。俺の時給920円だぞこの金であんな奴の相手しなきゃいけねぇのかよクソがッ……ってすごく嫌な気持になると思うよ。人間は常に相手
同僚として一緒に働き始めて、2年と少しが経つ。 彼も僕も同じく、このサイトのライター兼、編集者だ。彼はライターとしては先輩にあたり、組織上、つまり編集部員としては後輩にあたる。(最初はお互い外部ライターで、僕が先に編集部に入った。) そういうわけで2年以上一緒に働いているが、彼が極端に無口で、顔にもあまり感情を出さないので、僕は彼の感情を推し量ることができない。 たとえば時折、忙しいと僕は彼に雑用を振ってしまうことがある。上下関係にこだわるわけではないが、心のどこかで「もともと先輩なのに悪いな」という思いもある。 文句も言わずに淡々と雑用を片付けながら、内心、彼はどう思っているんだろうか。僕はそれを読み取ることが出来ない。唯一、僕が読み取れる彼の感情表現といえば、仕事のやり取りに使うメッセンジャーの発言の語尾に「。」がつくか、「!」がつくか、「…」がつくか。それくらいだ。
誰にも言えない、けれど誰かに言いたい、そんな内緒の悩みやモヤモヤ、しょうもないグチからやりきれないつらさまで、穴を掘ってこっそり叫んでみたい気持ちを発散する、「感情の吹きだまり」……。そんな場所がこのコーナーです。あなたのやるせない気持ちを、安心してブチまけてみませんか? 雨宮まみが聞き手をつとめます。長文の投稿歓迎いたします。 (借りてきたね子/女性/20代前半) 雨宮さんこんばんは。大学生の女です。 昨年の秋、二年間付き合っていた男性と別れました。その相手は、顔は小沢健二に似ていて、背は高くないけれど細身で、清潔な身なりをしていて、髪の毛がきれいな黒でまっすぐでさらさらでつやつやしていて、私を撫でるときの繊細な手つきや、笑ったときの口元の皺が好きでした。でもそれ以外のところはあまり好きではなかったです。普段は優しいですがときどきヒステリーを起こすし、怒らせるととても面倒で、常に自分が絶
http://anond.hatelabo.jp/20151201143130 メールを受け取った私がまっさきに行ったのは、ムダ毛周りの処理であった。 風呂には入り終わっていたし、施術の前にも入ることになっていると言うが、毛については自宅で処理をしていくほうが賢明だろう。 チラシを開いてその上に座り込み、Iラインを処理。 冬だからと油断して生やしまくっていた膝下を処理。 忘れちゃいけない脇の下も処理。 どこをどれだけどうされるかはわからない。 わからないが、ただでさえババアかつデブである。 施術者をげんなりさせる要素はひとつでも減らしておきたいではないか。 ムダ毛を刈りつつもメールのやり取りを数回行い、1時間後に最寄りの駅で待ち合わせ、ということになった。 そこから車でラブホ(ファッションホテルという呼び方はいまだに馴染めないものを感じる)へ向かい、めくるめく春の世界へ、というわけだ。
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