データセンターのスペース容量や増え続けるサーバの使用エネルギーなどに頭を悩ませていたアステラス製薬は、240台の仮想サーバで構成される仮想化環境を構築することで、課題解決の糸口をつかんだ。サーバの仮想化に悪戦苦闘する企業が多い中、同社が成功したポイントは徹底した“準備”にあるという。 企業合併でサーバ台数がふくれ上がる 製薬業界の再編に伴い、2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業の合併で誕生したアステラス製薬は、約1万5000人の社員を抱え、売上高が9748億7700万円(2010年3月期)、1909億8600万円の経常利益を上げるグローバルカンパニーである。免疫抑制剤や前立腺肥大症の排尿障害改善剤、高血圧治療剤など多領域に強みを持ち、国内の医療用医薬品市場おいて第2位のシェアを有している。 企業統合によりビジネス規模のさらなる拡大を推し進めた同社だが、その背後で企業経営を支える情報シス