テクノロジーが面白いからつくってみたかった
── しかし、フロンティアワークスさんは、アニメのBD/DVD制作がメインのビジネスというイメージですが、音声合成ソフトやデジタルサイネージって、かなり分野が違いますよね。
中田 アニメのパッケージもひと昔前はバブルがあって、グッズもいいものを作れば売れたという時代があったんですが、最近は消費の動向が変わってきたんです。お客さんが娯楽に割ける時間というのは限られているのに、ネットサービスやソーシャルゲームなどのメディアが表に出てきたことで、お金の使い方も変わってきています。
その中でも受けてる分野が、コンサートやライブなど、その日のその時間しかやってないイベントに価値を見いだしてお金を費やすものでした。根底にはそうした事業をのばせないかなという思いがあります。
加藤 弊社のデジタルサイネージも、ある程度普及してしまうと、今度は何らかのアクセントが求められるようになります。そうした中、キャラクターと会話できるシステムなら悩みを解決できるのでは、と注目したところもありますが……。まぁ、後付けで言ってる部分もありますよね(笑)。
── 後付け!
中田 みんなこの面白い技術で何かをやりたくて、「大人のいいわけ」を付けてやっている部分もあるんです(笑)。
加藤 例えば、二次元キャラと会話がしたかったとかですね。
── では、できたときは感動だったのでは?
中田 僕はキャラクターのデザインからディレクションしてますので、普通の見方ができなくなってます。「これ本当にかわいいのかな……」って思うこともあったりして。
── なんとなく“俺の嫁”ではなく、“愛娘”みたいな。そういう距離感なんですね。
中田 そんな感じです。
── キャラクターは、さじ加減が難しいですよね。もっと萌え系に降ってもよかったし、それこそ原宿や渋谷におけるようなかっこいい見た目も選べたと思います。目指したところは?
中田 誰にでも好かれるところを狙いました。どこにでもいそうな髪型や服装というのも、そうした背景から来ています。
── それこそアニメイトの各店舗にCeVIO Visionが置かれて、その土地のクリエイターが作った作品が展示されるようになると、展開が面白いかもしれませんね。
加藤 そうですね。ユーザー発のコンテンツが増えていけば、それをどんどん店舗にフィードバックしていけると思います。
── いままでネットが中心で、リアルに3Dモデルが現れるとしてもライブが中心でしたが、今度はお店にユーザーが作ったコンテンツが“降臨”するという。
加藤 「俺が作った作品が、来週のこの時間に流れるんだぜ」っていう。
中田 1月のCeVIO Visionの公開から時間が開いてしまったので、忘れてしまった人もいるかもしれませんが、今度は手元で遊べるので、ぜひみなさんに試していただければうれしいです。
ニコニコ超会議2でもお披露目っ!
4月28日13時10分〜13時25分、マイクロソフトブースにて「祝!CeVIO Creative Studio FREE公開!責任者が語るCeVIOプロジェクトの全貌」というステージイベントを実施する。場所は会場に入ってすぐ、1ホール中央だ。ボカロP、聴き専の方々は要チェックですぞ!