ようやくミラーレス一眼カメラ市場に参入したキヤノン
キヤノンがミラーレス一眼カメラ「EOS M」を2012年9月中旬から発売すると発表。いよいよミラーレス一眼カメラ市場に参入した。
キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長・川崎正己氏は、「1983年の誕生から25年を迎えたEOSブランドに新しい製品が加わる。もっと簡単に、もっと手軽に、本格的な写真を楽しみたいと考えるすべてのお客様に、本当の写真の喜びを感じていただけるEOSのアイデンティティーを持ったミラーレスカメラである」と位置づけ、「EOSという名にふさわしい、徹底的にこだわった高画質、それでありながら小型軽量、さらに業界最多の60種類を超えるEFレンズ群との互換性を持っている」と、その特徴を語った。
競争は激化、7社が参入するミラーレス市場
ミラーレス一眼カメラ市場は、この分野で先行したパナソニック、オリンパス、さらにはソニー、ペンタックス、リコーに加え、2011年10月にはニコンが「Nikon 1 J1」および「Nikon 1 V1」を発売し、ミラーレス一眼市場に参入。さらに富士フイルムも2012年2月に「FUJIFILM X-Pro1」を発売。これまでに国内6社が市場参入している。
カメラ市場で最大シェアを誇るキヤノンが、国内7社目のミラーレス一眼カメラを投入することで、市場競争はさらに激化。一気にミラーレス市場が拡大する可能性も指摘されている。
川崎社長は、「キヤノンのカメラに対する姿勢は、どうしたら美しい写真を自由自在に撮れるのかを、誰よりも考え、その答えを追い求めてきた活動に尽きる」とする一方、さらに、「レンズはカメラの命。写真表現の命である。いい写真はいいカメラだけでなく、いいレンズから生まれる」と語り、他社にはないキヤノンのレンズ製品群のラインアップの強みも訴える。
EOS M用には2種類の専用レンズを用意するが、マウントアダプターを使用すれば、60種類ものEFレンズを使用することができる。
キヤノン 常務取締役イメージコミュニケーション事業本部長・真栄田雅也氏も、「ミラーレス一眼カメラでは最後発だが、この製品であれば十分追いつける」と自信をみせる。
カメラメーカーならではの強みが、この市場でどう発揮されるかが注目される。
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