そうだ星を観に行こう
真夏の祭典“コミックマーケット”レポートはお楽しみにいただけただろうか? 実はコミケ最終日の8月12日には、三大流星群の1つで、夏の天体観測の定番イベント“ペルセウス座流星群”がもっとも活発に活動する極大を迎えたのだ。
天体観測を趣味としている筆者はコミケの取材を普段より少しだけ早め(15時くらい)、この天体ショーを撮影するべく、カメラの装備をコミケから流星撮影用にチェンジして、車を東へと走らせた。
当初の予定では、北東の方角が開けている八ヶ岳周辺で撮影を行なおうと思っていたのだが、周辺の天気はあいにくのくもりの予報。Yahoo!JAPANの星空指数も10と期待値は低めというバクチを打つにも分が悪い状態。
関東近郊で撮影ができる可能性が高そうな地点を調べてみたところ、千葉県銚子市周辺は、比較的可能性が高い予報となっていたので、一路銚子市を目指した。
撮影に必要な機材と撮影環境
流星群は天体写真のなかでは初歩だが、カメラを空に向けてシャッターを切れば写るというものではない。最低限、必要な機材と撮影設定、そして流星群を撮影するのに適する環境というものがあるので、それらについて説明しておきたい。
今回は、手持ちの一眼レフを使用したため、ニコンのフラッグシップのD4を使用しているが、撮影に適したカメラは、インターバルタイマーで撮影可能な機種だ。インターバルタイマー撮影の機能を内蔵しているカメラは、ニコンであれば、D5100、キヤノンでは、EOS 5D Mark IIなどに内蔵されている。
では、インターバルタイマー撮影機能を内蔵していない機種では、撮影は無理なのかというとそうでもない。メーカーから発売されているアクセサリーやサードパーティーメーカーから発売されているオプション製品などで、バルブ撮影用やインターバル撮影を行なえるレリーズケーブルが発売されている。また、キヤノン製品であれば、USBケーブルでカメラとノートPCを接続して、付属のEOS Utiltyを使えば、本体にインターバル撮影機能を搭載していなくても、撮影することができるのだ。
次にレンズだが、キットレンズでも撮影はできるが、長時間撮影しているとズームリングが動いてしまい、ピントがずれてしまう可能性も高いうえに、レンズも決して明るいとはいえない。露光時間がある程度あるとはいっても暗い星が写らないことがあるので、安くても良いので、明るい単焦点レンズを使うことをおすすめしたい。
また、流星にかぎらず天体を撮影するには、月のようなよっぽど明るいものを撮影以外は、手持ちでの撮影は不可能なので三脚が必要となる。三脚はできるだけガッチリとした安定性の高いものが好ましいのだが、しっかりとしたものは非常に高価なので、使用する機材の重量を計算して、対応可能なものを選ぶと良いだろう。ちなみにD5100に50mmの単焦点レンズであれば、総重量は1kg以下なので、1万円以下の三脚でも十分に撮影は可能だ。