問1 「大画面で超ハイグレードなテレビを購入したはずなのですが、いまひとつ作品に没頭できません。なぜでしょうか?」
問2 「財布にちょうど5万円入っています。何をすべきでしょうか?」
今回のテーマは「薄型テレビの音回り」を「高音質スピーカー」で強化する話。
といっても不用意に持ち上げようとすると腰を抜かしてしまうような重量級のAVアンプは必要なく、リアスピーカーのケーブルに足を引っ掛けて転んでしまう心配もない、手軽で高音質なアクティブスピーカー導入のススメだ。
直販だからできた、こだわりの品質
紹介するのはクリプトンの「KS-1HQM」(メーカーサイト)というモデル。クリプトンはオーディオに詳しい人ならピンと来る、有名アクセサリーメーカーで、最近ではペア約100万円のハイエンドのスピーカーやCDを上回る高音質配信サイト「HQM STORE」なども展開している。
KS-1HQMは、昨年6月に発売された同社のもっとも小さなスピーカー。スピーカー内にDACと25W+25Wのデジタルアンプを内蔵。光デジタル入力端子、アナログのステレオミニ端子のほかに、パソコンと接続するためのUSB端子(24bit/96kHz対応)も備えている。
片手に乗るぐらいコンパクトなサイズでありながらズッシリと重い本体はまさに本格派。バッフル面が少し傾斜したデザインも、数十万円のハイエンドスピーカーをミニチュア化したような、上質感のあるものだ。
採用したスピーカーユニットは、デンマークの有名ブランド・ピアレス製(現在はTymphany社の1部門)。口径は6.35cmで、表現は素直で繊細。フルレンジならではの定位のよさも感じられる。
一方、アクセサリーメーカーとしての出自が際立つのは、付属するケーブルや足回り(インシュレーターやオーディオボード)の部分。簡単に言えば、妥協がない。例えば電源ケーブルや内部配線に利用されているのは、無酸素銅を利用した高級線材。専用のオーディオボードは800gもあり、鉄の砂が充填されている。さらにその上にハイカーボンスチール製のインシュレーターを三点支持で使用するという念の入れようだ。
直販限定の商品なので店頭でお目にかかれる機会はなく、まさに「知る人ぞ知る商品」ではあるが、専門誌はもちろんネットの口コミでも高い評価を得ている。まさに折り紙つきの商品なのだ。内容から考えたら驚くほど安い価格も、直販とすることで流通コストを極限まで抑えたことが関係しているのだろう。