CES 2010でレノボは、積極的に新製品を発表した。すでに日本でも、ThinkPadの新シリーズ「Edge」と「X100e」などが発表されているが(関連記事)、CESでは同社にとって新ジャンルである「SmartBook」の第一世代「Skylight」と、その変わり種姉妹機である「IdeaPad U1 Hybrid」が発表され、注目を集めている。
それぞれの担当者にインタビューし、各機種の狙いと特徴を聞いた。
低価格・スモールビジネス向けでも
「ThinkPadはThinkPad」!?
まずは、ThinkPadの新シリーズについて見ていこう。すでに述べたように、EdgeシリーズとX100eシリーズは、すでに日本でも発表されたので、スペックの詳細はそちらの記事を参照していただきたい。
一見しておわかりのように、新シリーズではキーボードがアイソレーションタイプになり、素材も若干安っぽくなった印象を受ける。価格もThinkPadとは思えない安さだ。そのため、どうしても「ついに安物を作ったのか」という印象になりがちだ。
だが、ThinkPad Xシリーズ・ワールドワイドマーケティングマネージャーのミカ・マジャプロ氏は、「これらの機種はあくまでThinkPad」と反論する。
マジャプロ氏「ThinkPadに求められる品筆基準をそのまま満たし、キーボードの感触もほぼ同じです。開発についても、日本の大和研究所の、ThinkPadとおなじエンジニアが担当しています。まったく同じかどうかは個人の判断ですが、我々は十分“ThinkPad”のクオリティーを持っていると自信を持っています」
「IdeaPadはコンシューマー用。こちらはスモールビジネスが中心とはいえ、ビジネス用としての堅牢さや信頼性を備えています。ですから、その点でもThinkPadである、と言えます」
実際にタイプしてみたが、彼の主張は決して誇大すぎるものではない。少々タッチが重い気がするので、正直「ThinkPadと同じ」とは思わないが、やはり快適であるという印象は受けた。伝統のトラックポイントとタッチパッドも、「ほかのThinkPadと同じパーツ」だそうだ。
見た目ではどうしても低価格機然とした感じをぬぐえないが、低価格IdeaPadにある「触感・剛性の安さ」は、新ThinkPadではさほど感じず、より剛健な印象を受けた。誤解を恐れずにいえば、昔存在した個人向けThinkPad「iシリーズ」のイメージに近い。
Edgeは特にスモールビジネス向けに、「ビビッドなデザインを求める人にも答えられるように」配慮したデザインとのこと。ただし、「赤は確かに『派手すぎる』と感じる方も多いと思うので、シャイニーブラック(光沢仕上げ)とマットブラックのモデルも用意している」という。個人的には、シャイニーブラックが一番マッチしているのでは、と感じた。なお「ThinkPad」の「i」の点は、赤色LEDになっていて、動作状況がわかる。動作時は点灯、スリープ時は点滅。もちろん電源オフだと消える。
今回デモに使われ、日本でもリリースされたのは1スピンドルの13インチモデルだが、14インチ・15インチモデルも用意されており、こちらはDVDドライブ搭載の2スピンドルモデルとなる。
X100eは11.6インチサイズのディスプレーで、よりコンパクトであることが特徴。だが、キートップのサイズは大きめで、「ほぼフルサイズ」だという。カラーはThinkPad伝統の黒のほかに、白と赤がある。でもThinkPadに愛着を持つ人なら、やっぱり黒が欲しくなるのではないだろうか?