実は中国人の間でも、微妙な空気が流れている
ところで、こういった状況は、中国ではどんな風に受け止められているのだろうか?
実は中国人の中でも「それってパクリじゃないの?」と思っている人が少なからずいるようだ。例えば、百度の知識検索サービス“百度知道”(日本でいえば“はてな人力検索”のようなものだ)において、「海馬3とマツダはどう違いますか?」 などという質問も散見する。
ただし、たいていはそういう質問に対し、ほとんどの回答者がご立腹という結果となっている。
中国の車メディアにおいてはこの現実を捉えているようだ。中国のウェブメディアでは、IT系ポータルサイトから車コンテンツが派生するのをよく見かける。その昔“ASCII24”の中に“オートアスキー”という自動車サイトがあったが、それと似たようなものだろう。
そこでは「これは自主開発? それともパクリ?」といった具合で、パクリ疑惑の車種にメスを入れる記事がよく掲載されている。残念ながらここでも読者による記事の感想欄では、ご立腹した読者による不満の書き込みがほとんどとなっている。
来年に開かれる北京オリンピック、そして3年後に開かれる上海万博。これらの大イベントが開催される両都市ではいまだ地下鉄網の発達が充分ではない。これに高価な車を持つこと自体がステータスとなっていることもあいまって、大都会であるにもかかわらず、車の所持率は非常に高い。
オリンピックや万博開催中にモーターショーはなくとも、ちょっと大通り沿いでか、陸橋の上から眺めるだけでも、いろんな車が走り去るのが見れて面白いだろう。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。