先日、中国人のある夫婦が子供の名前を“@”にしようとしたと報じられた。日本でも話題になったので、ご存じの方もいるだろう。
@と命名しようとした父親は「@は全世界で必要とされているもので、@は(中国語の発音で)“愛他”(彼を愛する)という意味となるのでこう命名した」と話しているそうだ。
この名前が、戸籍に無事登録されたのか、拒まれてしまったのかどうかは明らかになっていないが、この夫婦の性は“王”なのだそうで、正式に認められれば、その子供の名前は“王@”となる。
子供の名前を@とするのは最も極端な例だが、この極端な例をきっかけに、子供の名前を“一A”した趙という苗字の夫婦や、同じく子供の名前を欧米風に奥斯鋭娜王(Osrina王)とした夫婦など、過去に登記された一風変わった名前をまとめるニュースが中国の各メディアで報じられた。
西洋風のネーミングが中国では流行っている?
このニュースがきっかけになったかどうかは不明だが、「中国人のネーミングルールを定めた姓名登記条例の制定を目指して作業中だ」と中国公安部門が中国メディアにコメントしている。
中国には2万3000の姓があると言われているが、その上位129の姓で全人口の87%が占められるという。
一方下の名前のバリエーションは豊富だ。日本のようにこの名前なら男性、この名前なら女性というものもなく、中国人同士でも名前を聞いてその名前の主が男性なのか女性なのか、すぐには判別できないというケースもかなりある。だから、中国人の姓名のパターンは非常に多いと推測できるのである。
とはいえ、『燕趙都市報』によると、河北省の石家庄市には“李娜”という名前の人が3406人もいるというからよく分からない。
加えて中国には50以上の少数民族がいて、イスラム系の名前やらチベット系の名前やらロシア系の名前やらに、漢字を当てはめている例もある。
そんな状況なので、名づけのルールを“これ”と決めるのは、なかなか難しいことなのではないだろうか。最近の中国では“麗娜”(リーナ)や“露西”(ルーシー)など、外人を意識した名前も急増しているが、中国メディアによると、先に触れた作成中のルールではこういった名前は好ましくないと考えられているようだ。また「“趙net”“銭$”“孫3.1415”なども禁止」というコメントも記事中に掲載されていた。