転勤・単身赴任を原則廃止すると宣言した某グループだが今のままだと恐らく何にも変わらない
現状の転勤・単身赴任者は例外者としてエクセルに名前が記載され
四半期に一度名簿の確認とPDF出力された管理簿に部長の電子署名が行われるような儀式的業務が増えるだけのことが起きる
他にも紙の廃止とかも発表されていたが、同じように紙の使用時にエクセル管理簿に記載するという手順が増えたり
紙の使用時にはエクセルチェックシートの提出が求められたりして手間暇が増えて紙の使用は減らないということが冗談では無く本当に起きる
テレワークは持株やその他本社系組織では進んでいるが支店や営業なんかは全然進んでいない
このグループがなぜこんなにトップの言うことを聞かないかというと、実は原因は明らかで持株は戦略やビジョンを策定してもその実行を各事業会社に委任するからだ
もちろん迅速な遂行のために権限委譲するのは当然なのだが、委譲された組織もまたバカでかいので更に権限委譲する必要が出てくる
そうなると今度は人材不足に陥る
ぶっちゃけ持株や本社系ですらヤバい人が割といるのにそこから更に下の組織になるとまともな人を探す方が難しい
できることはエクセルとパワポを使ったアーティスティックな業務と聞いているだけのミーティング参加、という人が大半で
とてもじゃないが戦略やビジョンを理解して新しい取り組みを遂行できるわけがない
そんなところに「原則廃止」なんていう指示を出したら「例外の場合はどうするか」しか考えない
権限委譲された人も「そうだよね、無理だよね」ってなって何かを変えようなんていうしんどいことは誰もやらず
エクセル管理簿を更新していくというトータルで見るとしんどいことを皆がやるようになる
こういう現状を知っている上の方の偉い人達は権限委譲したがらないので管理するようになるが、そうすると今度は幹部が忙しいことを逆手に取った打ち合わせ・エスカレ調整による時間切れ作戦とかが出てきてしまい、結局幹部は疲弊してエクセル管理簿を承認することになる
とにかくこの企業の大半の人は今の仕事のやり方を変えたがらないので、ドラスティックな業務改革が必要なんだが、電話が止まると省庁に滅茶苦茶怒られるのでそうそう変えられない
恐らく仕事のやり方を変えてしまうとやっていける自信が無いので変えたがらない
管理簿やチェックシートを一度作ると廃止したことで何かが起きるかも知れないからどんどん増えていく
TLS接続するDaaS環境なのに念のためにVPN上で接続するような仕様にしてしまい、DaaS動作が重いだけじゃなくサーバ負荷も高くなって全社員から文句が出ているのにセキュリティはよく分かっていない人ばかりなので怖くてやめられない
能力が低い、というとそれまでだが、異動が多すぎて専門性を高められていないのも大きな要因だと考えられる
つまり、広くて凄く浅い知識を持った社員ばかりなので今の業務を変えるだとか新しい取り組みなんかの業務を持株から割り当てられてもとてもじゃないけれど実行できないのだ
文句ばかりになってしまったが、本当に改革したいなら持株でちゃんと優秀な人を集めた「特命改革チーム」を作り、社長レベルの権限と予算を持たせて事業会社に送り込めばいい
ぶっちゃけ社内にそんなことができる優秀な人はいないと思うからコンサルに大量発注すればいい
金で解決できるのに自前主義とか育成観点とか言い出すのでいつも失敗している
ただ失敗が分かる頃には今の社長は変わっているので、新しい社長がまた別のことを言い出して同じようなことを繰り返すだろう
どうせ今回も同じように失敗する
悪いけれどみんなそう思ってる