VR機械やPC、スマホなどを用いて好きなアバターになり、仮想空間で交流する。他にもいくつかサービスがある中、VRChatは最も大きいプラットフォームのひとつだ。2024年は配信者に取り上げられたり、NHKドラマの舞台の元ネタになったりして話題になった。
アバターのおかげで相手がそこにいて動いているという視覚的な実感があるため、文字のみに比べてより近い双方向の交流ができる。
ここではユーザー同士がさまざまな社会を形成していて、故に、ここが何のための場所かはユーザーによって異なる。
創作における表現の拡張や、外国人とのアクティブな交流、はたまた現実の身体と理想とのギャップ解消など。
雑に括ってしまえば、現実世界に満足していない者はVRSNSに流れ着くと言える。
もちろん友人づくりやより深い関係を求めて彷徨う者もいて、そうなるとやはり恋愛の話を避けては通れない。
VR内での擬似恋愛関係をお砂糖などと呼ぶが、まったく不思議なことに、先日自分にもそんな存在ができた。
一対一のランダム交流ができる空間で出会い、ともに遊び、悩みを吐露し合ったりもして、数ヶ月で通じ合った。
曖昧な言い方をするのは、お互い「お砂糖」という表現がしっくりこないからだ。
顔を合わせたことはなく、住んでいる場所も遠く遠く離れている。仮初めの関係であることを理解しているし、この関係を宣言する必要性も感じず、また宣言するほど多くのフレンドもいないので、特におそろいコーディネートとかする事もなく普通に過ごしている。
それでも、互いに現実に苦しみや寂しさを抱えていて、それらを埋め合うならこの人がいい、と思っているのは事実だ。
私はいつも仕事に疲れていて、人との関わりも好きではなく、現実ではないどこかにひとりで逃避したいと思ってVRChatに来た。
ここにしかない美しい世界に没入できて、自分ではない姿になれるというところに惹かれた。VR世界は見たくても、他人と"Chat"なんかする気はさらさらなかった。
ただ、好きなアバターやワールドを作るにはゲーム内でフレンドを増やしてアカウントの信用度を上げねばならず、結局交流ワールドに足を踏み入れたのだが。
一方かの人は私よりずっと前、他のフレンドに誘われてVRChatを始めた。仲の良さそうな人はそれなりにいて、コミュニケーション能力も高い。
しかし仲良くした人に去られたり、アカウントを作り直したり、出会う前には色々と気苦労があったようである。
恋愛経験もなく、他者との関わりを遠ざけていた自分と、他者との交流に恵まれながら満たされなかった人。
私は人間らしい心の機微をその人に教えてもらいながら、虚空に向かって抱擁するようになった。
その過程で、本当は他者に認められたかったし、誰かを堂々と好きになってみたかったことを、今さら自覚した。
きれいな景色が見たいだけなら、そのためのVRコンテンツはいくらでもある。
VRChatを選んだのは、本心では他者との関わりを求めていたからに他ならない。
あの人にも人知れず抱えた寂しさがあった。
寂しい人間にとって同質の者を引き寄せる仮想空間は麻薬のようだ。
結局目の前には存在しないのに相手の声が聞こえて、笑顔が見えて、触れられないのに体を寄せ合える。
本質的には何も手に入れることができていないのに満たされている。
それがとても楽しくて、同時にとても恐ろしい。
だが、緩やかに社会全体が衰弱し、満足のハードルはどんどん上がっていく現代において、(実際求めるものを得られるかは別として)VRSNSを訪ねる人々は増えていくだろう。
はてなーなら「はてなワールド」で既に経験済みだもんな
しなもん…😟
ちょうど50字の文が多いのなんかあるの?
でもおっさんずラブになっちゃうし。
DALTの棲家ってことは知ってる
いくら女のアバターでボイチェンしてても中身が男なのは嫌だなあ