最終的には好みの問題なんだがどうも納得できない。雑煮やきしめん、うどんに花かつおをトッピングする地域の人間なんだが、せっかくの出汁の味をぶっ壊してしまう。
うどんやお吸い物の出汁として鰹出汁をとるとき、泳がせた鰹節を最後に絞るのはタブーである。エグみが出てしまうからだ。絞ればまだたくさん取れる出汁をわざわざ捨ててまで味にこだわる潔さがそこにある。
しかし、トッピングした花かつおを噛んだときにそこから思いっきりエグみというか不要な酸味というかクセのある要らない味が滲み出てくる。まさにそれは出汁を取るときに捨てた味。これが繊細なお雑煮の味をぶち壊してしまう。
お好み焼きやおかかのおにぎりは問題ない。白いごはんやお好み焼きが完全に受け止めるし、ソースや醤油が強いのでそれなりに濃くないと対抗できない。しかし、お雑煮やうどんの出汁はむしろお吸い物に近い繊細さを持っている。その繊細な出汁をぶち壊すのが花かつおのトッピングである。
地域によって色々やり方はあると思うのだが、どう考えても理にかなってないと思うので、盲目的に信じている伝統を一度ゼロベースで見直してみてはどうだろう。むしろ天かすの方が合うような気がするくらいだ。
味じゃないんだよ。 花かつおがゆらゆらするのを眺めるのがいかにも正月という感じがしていいじゃないの。