忘年会に行ってきたんだけど、何とも言えない気まずさを引きずったまま帰ってきた。原因は私のロングブーツ。冬だし寒さ対策には抜群なんだけど、そのせいでとんでもないことになった。
お店に着いて案内されたのが小上がりの席で、「靴を脱いで上がってください」と言われた瞬間に、頭の中で警報が鳴り響いた。脱いだら終わる、絶対に終わる。あの臭いを解き放つわけにはいかない。先日、自宅でブーツを脱いだ時に発生したあの匂いを思い出して、一瞬で判断した。「これ、ここでは無理だ」と。
みんなは普通に靴を脱いで上がっていくけど、私はただ座ったまま動けずにいた。「どうしたの?」と友達に聞かれたけど、「足がちょっと冷えちゃって…」とか、苦し紛れの言い訳しか出てこなかった。心臓がバクバクして、顔が熱くなるのが自分でもわかる。どう考えても変な空気になっている。
結局、「ごめん、急用を思い出した」と言って席を立つしかなかった。店を出て歩きながら、自分の不甲斐なさと、どうしようもないブーツの現実にぐったりした。でも、あの場で脱いで被害を拡大させなかっただけ良かったのかもしれない、とか言い訳を考えながら家に着いた。
自宅に戻ってブーツを脱いだら、やっぱり例の生物兵器が発動した。窓を開けて換気しないといけないレベルの匂いが部屋に充満して、「こんなものを履いて忘年会に行った自分、正気だったのか」と思わず頭を抱えた。まあ、でもこうなることは分かってたし、だからこそあそこで脱がずに済んで良かったとも言える。
今年の冬は、ロングブーツと生物兵器のせいでいろいろと疲れた。次の忘年会は小上がりじゃないお店にしてもらおう。いや、そもそもロングブーツをやめるべきなのかもしれない。そんなことを考えながら、ブーツを窓際に置いて、消臭スプレーをしっかり吹きかけておいた。