「何でこんなことやってるんだろうなあ。」
もう書くことは決まっている雑務の中の雑務をやりながら思った。
窓口に並ぶ老人、それに応対する同僚、それを見て考える。 こいつらは人生満足しているのかなあって。
昔は、3年前までは、とても輝いていた。
世間的にはとても頭がいいとされる分野で、俺は、とても優秀だった。 同学年ではダントツでナンバー1、テスト前はみんなから頼られた学部時代。 先輩達からは「後輩とは思えない。」、教授達からは「是非とも博士に。」、そう言われ続けた修士時代。
天狗になれた。
それはもう自分は頭がいいと思えたし、他の理系の分野を見て「こいつらのやってることは配管工と同じ。」と見下していたし、まさに大天狗だった。
その後博士課程で研究室の意向に反る形で、俺はその分野では日本で一番優秀な大学の博士課程に進学した。
何の躊躇もなかった。 多分自分はそこでも優秀でいられる、将来はポストが少ないかろうが研究職に就ける、と根拠のない自信があった。
でも現実は違った。 世界が違った。
引き離せない同期たち、何人かいる異世界の頭脳の化け物。 鼻は折られた。簡単に折られた。
自信を失った僕は素粒子に対する興味を失った。
いや、違う、僕が興味を持っていたのは、素粒子をやっている自分、素粒子という難しい分野をやっている自分、ただそれに興味があっただけだったのだ。 素粒子なんてものには、修士課程で概観をほぼ学習し終えた時点で興味を失っていた。
正直、世界の構造の探求とか、どうでもよかったのだ。 難しいことをやれていれば。
だから自分に対して向上心を持つことなど出来なくなっていた。輝きは完全に失われた。
その後、僕は役場に就職した。 他に良い就職なんてあるはずもなく、役場しかなかった。 素論崩れにしては上等な就職場所だった。
ここでの仕事ははっきり言ってつまらない。 退屈だ。 でも時間はある。
その時間でついつい考えてしまう。 「もし、もし、あのときこうしていれば・・」なんてことを。
でも、それで導かれる満足な未来は後悔しか生まない。 プライドの塊でしかなかった自分への後悔しか。
僕は典型的理系人だ。 ファッションなんて全く分からないし、女性の友達はいない、男の友達だって少ない。 コミュニケーション能力なんてプランク定数より少ない。当然ノミニケーションなどはむしろ苦痛だ。
そんな自分には同僚が薦めてくれる人生の楽しみ方も全く楽しいものには思えない。
役所に勤め始めて1年経つ。 今日もまた役場に来る人や同僚を見て色々考える。 どうすればまた輝けるのかを。
株式投資でもやったら?
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http://anond.hatelabo.jp/20070223172044 いまもプライドを捨て切れてないから、自分はまた輝けるんじゃないかと思うんだよね。 失ったプライドを取り戻したいんだよね。 でも、学部時代と同じ...
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http://anond.hatelabo.jp/20070223172044 自分は東大ではないけど、近藤さんの出身大学で院生をしている。 ストレートで上がったし留年もしてないし、たぶんそこそこ良くできるし、 頭の回転も悪...
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anond:20070223172044 就職難世代!もったいない!こんな見るからに優秀そうな人間をもっと、科学ジャーナリストやインタープリターとして教育分野に起用する政策をとったら良いのに。あと...
http://anond.hatelabo.jp/20070223172044 たぶんこの人が絶望した大学で俺は学んだ可能性が高いのだけれども、 大学はともかく、社会に出て愕然とした。 大学までって、自分と同じ年齢の奴とだ...
そのまま素粒子にしがみついていても、もっと深い絶望があったのでは。 研究にしても仕事にしても私生活にしても外界に対する興味がなければつまらないでしょう。 早く大人になれる...
三行目に全米が泣いた.
http://anond.hatelabo.jp/20070223172044 この記事を読んで思ったことを、全く世間を知らない学部生が書き散らしてみます。 人は他者と関わりを持たずして生きるのは難しいので、他者との比較...
http://anond.hatelabo.jp/20070224143002 幼少期、父が「人は生まれて一番初めに知覚する限界は、肘の関節が一定方向にしか曲がらないと気付かされる時である。」などとわけのわからないことを...
http://anond.hatelabo.jp/20070224143002 http://anond.hatelabo.jp/20070224185527 肘が曲がらないことを限界と感じるか、筋肉を使わず物を支えられるからこれどすばらしいものはないと考えるか。 ようは、...