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スマートフォン

高齢の親にスマホを持たせたいけど、操作できるか心配です…教室に通えない人には難しいでしょうか?

「高齢の親にもスマートフォンを持たせたいけれど、本人が操作方法を理解できないような気がする」。そう悩んでいる方は少なくないでしょう。高齢者のスマホデビューにまつわる不安に、元携帯ショップスタッフでITライターの迎悟が応えます。

執筆者:All About 編集部

シニアのスマホ使用イメージ

高齢の親にスマホを持たせたいけど、操作できるか心配…(画像はイメージ)

長らく携帯電話の販売に携わっていた筆者の元には、携帯電話にまつわるさまざまな質問や相談が舞い込んできます。特に最近になって増えてきたのは、高齢の親がいる人からの「親にスマートフォンを持たせるべきか」という相談です。

・自分や子どもたちはスマートフォンを持っており、LINEなどで便利に連絡を取り合える。ガラケー(=従来の携帯電話)を使っている親とだけメールで連絡を取り合うのは不便。

・親も『孫とLINEをしてみたい』『周りの人がスマートフォンを便利そうに使っているので、自分も使ってみたい』と言っている。

・携帯電話各社の機種ラインアップにも高齢者向けのスマートフォンが多数登場している。

上記のような理由から、親にもスマートフォンを持たせてはどうかと考えるのだそう。ただスマートフォンには、使い慣れた世代でさえ戸惑うような画面表示も出てくることがあります。そのため「高齢の親が使うのは厳しいかもしれない」とも思えてしまうようです。

おそらく皆さんの中にも、同様のモヤモヤを抱えている人がいるのではないでしょうか。

そこで今回は「高齢者にスマートフォンを持たせるのは難しいのか」についてお応えしていきます。携帯電話販売の現場で高齢者やその家族を応対した経験に基づいてお話ししますので、参考になれば幸いです。

スマートフォンは高齢者にもおすすめ。そう言える3つの理由

結論から述べると、筆者は高齢者にもスマートフォンをおすすめしていますし、安心して使ってほしいと考えています。その理由は3つあります。

1つめは「画面の大きさ」です。スマートフォンの画面はガラケーに比べて二回り以上大きく、テキストサイズも大きく設定できるため、文字が読みにくいといった心配がありません。また画面が大きくなった分だけ、操作の手助けになる機能を画面に表示させながら使うこともできます。

2つめは「端末の頑丈さ」です。今やスマートフォンで「防水」や「耐衝撃」をうたっていない製品のほうが珍しく、高齢者向けのスマートフォンでも防水や耐衝撃の試験をクリアした頑丈な製品がそろっています。

落下による画面の故障なども、頑丈な製品であれば防ぎやすくなります。修理を依頼したいとき、高齢者だけでショップに行ったり手続きをしたりするのは難しい場合もあるでしょうから、元から「壊れにくいもの」を使ってもらったほうが安心ですよね。
 
3つめは「通話音質」です。高齢者向けの携帯電話は耳の遠い人でも聞こえやすいような受話スピーカーを搭載しているのですが、今やスマートフォンのスピーカーのほうが、優れたものが多くなっています。

また、スマートフォンの通信に利用される「4G」や「5G」は、主にガラケーで使われている「3G」よりも高音質で通話できます。聞こえやすいスピーカーとより高音質な通信規格の組み合わせで、ガラケーよりも快適に通話できるのです。

スマートフォン操作の難しさを心配する声は多い

ただ、いくらメリットがあると言っても操作に不安を抱える人はいるでしょう。実際「スマートフォンを操作することがそもそも難しそう」「使い方が分からず、ガラケー以上に不便を感じるのでは」という声は、高齢者からもその家族からもよく聞かれます。
 
ですが、そこまで心配しなくても大丈夫です。

特に高齢者向けに展開されているスマートフォンには、前述したように“操作の手助けになる機能”を搭載した機種が多数存在します。あらかじめ設定しておいた相手にすぐ連絡できる「ワンタッチボタン」を有している機種も多く、ガラケーとの使い勝手の差はさほど大きくありません。むしろ、実際に使ってみた高齢者からは「ガラケーよりも操作が分かりやすい」という声も上がったほどです。

また、キャリアショップでは高齢者を対象とした「スマートフォン教室」を頻繁に開催していますし、教室の開催日でなくても、ショップに行けば操作方法を教えてくれます。文字が大きく分かりやすい操作説明書なども配布しているので、それを見ながら1つずつ操作を覚えていけば問題ありません。

このように高齢者向けの機種や購入後のサポートサービスを利用することで、購入から間もない時期にスマートフォンの基本操作を習得する人は、高齢者でもたくさんいます。

教室に通えない人、家族のサポートが受けられない人はどうすればいい?

それでもまだ不安が残る場合は、「遠隔サポート」という有償のサポートサービスを利用するのも手です。

遠隔サポートとは、トラブルの解決方法や使い方のレクチャーを自宅で受けられるサービスのこと。携帯電話会社によって内容に多少の差はありますが、おおむね以下のような流れで進みます。

1. 専用のアプリを立ち上げる
2. オペレーターと電話がつながるので、困っている内容を伝える
3. オペレーターが利用者のスマートフォンを見ながら、次に操作するボタンなどを具体的に指示してくれたり、代わりに操作を行ってくれたりする
 
そのため「困ったらこのアプリを立ち上げる」「このボタンを長押しするとサポートにつながる」といった最低限の操作さえ覚えてもらえれば、困ったときに専門のスタッフに対応してもらうことができます。家族が電話越しに説明するよりも分かりやすく、丁寧にサポートしてくれるので、スマートフォンの「難しい」や「困った」に、本人や家族が振り回される事態も防げます。

「高齢の親にスマートフォンを持たせるのは難しい」と考える人が多い背景には、「親と離れて暮らしているので、使い方を教えてあげられない」といった事情もあるでしょう。また本人も、足が不自由でスマートフォン教室に通うのが難しかったり、近くにキャリアショップがなかったりすることで、スマートフォンの利用に不安を抱えているかもしれません。

しかし遠隔サポートなら、自宅にいながら専門のスタッフのサポートを受けられます。こうしたサービスを利用しながらスマートフォンを使ってみるのもよいのではないでしょうか。

サポートを活用すれば、高齢者のスマートフォンは難しくない

ここまで説明した通り、スマートフォンは高齢者向けの製品であってもガラケーより高性能になってきており、使う本人はもちろん、家族も安心できる魅力が多数存在します。

そして「高齢の自分でも使えるかしら……」「操作方法を教えてあげる時間が取れなさそう……」といった高齢者やその家族の心配も、充実のサポート体制が解消してくれるでしょう。

時代の変化と共にコミュニケーション手段も移り変わってきていますが、高齢者だけが取り残されることのないよう、携帯電話各社も手厚いサポートを用意しています。高齢者のスマートフォンデビューを、もっと前向きに検討してもよいのではないでしょうか。

【この記事の筆者:迎 悟】
家電量販店やキャリアショップなど、多数のチャネルで携帯電話販売の最前線に10年近く従事。その経験をもとに、現在はフリーランスライター・ブロガーとして活動している。携帯電話販売の現場インタビューや契約・使い方のハウツーを中心に、さまざまな媒体で執筆中。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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