同様のサービスとして「Miro」や「FigJam」が挙げられますが、これらのサービスとの違いは何でしょうか。フリーボードの特徴や魅力を紹介します。
<目次>
広いキャンバスを自由にレイアウトできる
フリーボードを立ち上げると、無限にも思えるほど広大な白いキャンバスが目の前に広がります。・薄いグレーのドットがガイドしてくれる
ただ闇雲に白い画面が続いてしまうと、最初の一筆が書きづらいもの。フリーボードでは薄いグレーのドットが打たれていて、発想を邪魔しない程度にガイドしてくれます。
・図形が複数用意されている
このキャンバスの上には、手描きの文字はもちろん、ふせんを貼ったり、図形や写真を貼り付けることが可能です。特に図形の数は非常に多く、さまざまなモチーフのシルエットが用意されています。
・キャンバスの広さに制限がない
フリーボードの最大の特徴は、キャンバスの広さに制限がないこと。その言葉の通り「無限」に広がります。これについては開発者も、以下のように語っています。
画面の左下には、現在の画面の倍率が表示されます。指でスクロールをすると、画面の端っこにあたってしまい、キャンバスの端っこ(限界)に達したように見えます。 しかしそこに書き込みをすると、キャンバスの端っこが更新。さらにキャンバスの続きが広がるようになります。 見た目では限界があるように見えますが、実際には描けば描くほどキャンバスが広がり続けるのです。「過去には、この上に矢印を描きたいのに、文書の端に来てしまったから書き足せない……ということがあったんじゃないかと思います。でも、フリーボードではその心配はありません。スクロールしていけば、キャンバスは無限に広がり、どこへでも書き込み、移動させられます」(ジョズウィアック氏)
あらゆるApple製品からアクセスできる
フリーボードは、iPhone、iPad、Macなど、あらゆるApple製品から操作/編集が可能。すべてのデバイスから、同じファイルにアクセスできます。 例えば「外に持ち出したiPadで手描きのラフ案を作成。その後、自宅に戻ってからはMacを使って図形を使って清書をする」といったことも可能。どこからでもアクセスでき、そして続きから編集を始められる。その感覚はまるで、セーブした地点から再開できるロールプレイングゲームのよう。デバイスを選ばず、アイデア発想が途切れることがありません。
iPadからの手描き操作が快適すぎる
ホワイトボードがもっとも活きるのは、iPadとApple Pencilにて手描きで操作をしているときです。キーボードやマウスといったデバイスを使うと、どうしても「操作する」ということに思考の一部を持っていかれてしまいます。
「ペンで書き込む」という動作は、アイデア発想として一番自然な形であります。いま目の前の課題に対してのみ集中できる、もっとも適した姿勢だといえるでしょう。
この「iPad × Apple Pencil」のコンビが最高に活きるのが、フリーボードです。
こういったホワイトボードサービスの代表格としては、「Miro」「FigJam」が挙げられます。これらも同様に手描きでの入力には対応しているのですが、快適さではフリーボードが一枚も二枚も上手に思います。
精密さより絶妙に雑に使える
フリーボードの良いところは「詳細に創り上げる」よりも「ある程度おおざっぱでも良いから、快適さを優先している」という点にあるように感じます。選べるペンの種類も、そこまで豊富とはいえません。デザインツールではないので、そこまで多種多様な表現ができるわけではありません。
しかし「できることが限られている」からこそ、あまり深くこだわりすぎず、描くことに集中できるような気がします。
また、あらゆる形式のファイルを貼り付けられるのもうれしいですね。
写真、ビデオ、オーディオ、書類、PDF、Webサイト、地図の位置情報へのリンク、ふせん、図形、図表などなど。本当にさまざまな形で、思考をアウトプットできます。
同時100人アクセス可能な共同作業スペース
フリーボードでは、同じボードに最大100人まで同時アクセス可能。すべての人がリアルタイムに編集、更新ができます。しかも、編集内容が反映されるのにタイムラグはほとんどありません。参加者すべてが、まるで同じ場所で共同作業をしているような感覚です。
筆者は仕事で、複数人で一緒にアイデア発想することがあります。ワークショップを開催して、多くの人と意見を交換しながら議論をすることも少なくありません。そういったとき、フリーボードはかなり強力に役立ってくれるでしょう。
Appleデバイスでしか使えないのが難点か
フリーボードの仕上がりには満足していますが、あえて残念なポイントをあげるとしたら、「対応デバイスが限られる」という点が挙げられます。フリーボードを使用できるのはAppleデバイスのみであり、AndroidやWindowsでは利用できません。
幸い筆者の職場はMacユーザーが多いので、利用するのに不便はなさそうですが、クライアントとの共同作業は難しそうです。一般的な企業では、やはりまだまだWindowsが主流ですからね。
ですが「AndroidやWindowsでも操作できるようになるのを期待している」というわけでもないのです。
対応デバイスを絞るからこそ可能になるシステムやUI体験もあるでしょう。AppleはApple独自の路線を突き進み、誰かによりそうことなく、自分たちが良いと思うものを貫き通してくれたらそれでいいと思っています。
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