今回から3回にわたり、ソーシャルメディアの代表的なプラットフォームを2つずつ取り上げる。共通点のある2つのプラットフォームを比較することにより、それぞれの特徴を浮き彫りにする。今回は、利用者同士のつながりを中心とするコミュニケーション型プラットフォームとして、日本を代表するSNSであるmixiと、全世界でブームとなっているミニブログのTwitterを取り上げる。

mixiは女性10~20代、Twitterは男女10~20代が中心

 まずは、mixi利用者とTwitter利用者の性年代別構成比を見てみよう(図2-1)。今回の調査では、男女それぞれ年齢層を6つに分けて全12セルとし、1つのセルに100人ずつを割り付けて全体が1200人となるように調査を実施した。このため、全体の性年代別構成比はすべて8.3%となっており、これと見比べることでそれぞれのソーシャルメディアの特徴が一目瞭然に分かる。男女比に関しては、mixiは女性、Twitterは男性が多い。また、性年代別では、mixiは女性10~20代、Twitterは男女10~20代が中心的な利用者層である。他に両者の差が目立つのは、mixiで女性30代、Twitterで男性40~60代の割合が比較的高い点である。

図2-1●mixi、Twitter利用者の性年代別構成比
図2-1●mixi、Twitter利用者の性年代別構成比
[画像のクリックで拡大表示]

mixi、Twitterとも情報提供者比率が高め

 次に、mixi、Twitter利用者の「オンライン行動属性」の構成比を、ソーシャルメディア利用者全体と比較してみよう(図2-2)。mixi、Twitterとも、利用者全体と比べ、情報を提供する属性である「コーディネイター」「クリエイター」の比率が高い。「不参加」はどちらも1割を切っており、9割以上がオンライン上で何らかの活動を行っている。

図2-2●ソーシャルメディア利用者全体、mixi、Twitterの「オンライン行動属性」
図2-2●ソーシャルメディア利用者全体、mixi、Twitterの「オンライン行動属性」
[画像のクリックで拡大表示]

mixiは「フォロワー型」、Twitterは「内向型」の比率が高め

 mixi、Twitterの利用者像を、現実の人間関係に関する意識のタイプ、「心理クラスター」による構成比から見る(図2-3)。リーダーシップや活発な消費行動を特徴とし、現実の社会でリーダー役であると推測される「アクティブリーダー型」が、mixi、Twitterとも男女の合計で2割強存在する。これはソーシャルメディア利用者全体の割合とほぼ同じである。一方、「フォロワー型」は、mixiの方が利用者全体やTwitterよりも多い。また「内向型」は、mixiよりTwitterの方が多く、利用者全体とほぼ同じ割合となっている。

図2-3●ソーシャルメディア利用者全体、mixi、Twitterのクラスター構成比
図2-3●ソーシャルメディア利用者全体、mixi、Twitterのクラスター構成比
[画像のクリックで拡大表示]

 Twitterの方が「内向型」の割合が高い理由は、コミュニケーションの対象と利用目的にあると考えられる(表2-1)。mixiは友人・知人のすすめで登録し、現実の人間関係が反映されやすい。一方、Twitterでは、サービスに興味を持って自発的に登録し、インターネット上の知人や有名人とつながりを持つ利用者が多い。また、プラットフォームの満足理由については、mixiでは気の合う仲間と深く交際できる点が、Twitterは匿名で気兼ねなく自分の意見が言える点が高く評価されている。現実の交友関係において「内向型」である層にとっては、現実の人間関係が反映されやすいmixiよりも、オンライン上のバーチャルなつながりを持ちやすいTwitterの方が利用しやすいのかもしれない。

表2-1●プラットフォームの利用状況
mixi Twitter
アカウント登録のきっかけ 現実の友人・知人の誘い 自発的
つながりを持つ相手 現実の友人・知人 オンライン上の友人・知人
利用目的 情報収集よりはひまつぶしの傾向
コミュニケーションの傾向 気の合う仲間との深い交流 匿名で気兼ねなく意見を言う

 しかし、Twitterに比較的「内向型」が多いといっても、オンライン行動属性の構成比では、mixiと大きな違いはない。むしろ、「コーディネイター」が多く、「不参加者」が少ない点からは、mixiよりもオンラインで活発に行動している層が集まっていると言える。現実の心理属性では「内向型」だが、オンラインでは活発に行動するタイプの人にとって親和性があると推測される。招待制で利用者を増やしてきたmixiと、自発的に参加できるTwitterの違いがここに表れている。