NTTデータは2011年8月8日、オープンソースの統合運用管理ソフト「Hinemos」を強化し、管理可能な仮想サーバー環境を拡充した。これまでのVMware/Xen/Oracle VMに加え、新たにHyper-VとKVMを管理できるようにした。有償オプションの新版「VM管理オプション Ver.2.2.0」として、購読ライセンスの形態で提供する。2011年8月8日にKVM対応版を、2011年9月末(予定)にHyper-V対応版を出荷する。価格は100万円前後から。
Hinemosは、エージェント・マネージャ型の統合運用管理ソフトである。管理対象となるサーバー機(LinuxおよびWindows Server)にシステム監視エージェントを導入し、管理サーバーとなるマネージャから、ネットワーク機器などとともに一元管理する。機能は大きく、システム稼働監視、パッチ適用などのデプロイ管理、ジョブスケジューラ、などで構成する。
Hinemosは、VM管理オプションと呼ぶ仮想サーバー環境に特化した管理機能を有償で別途提供している。このオプションを使うと、サーバー仮想化ソフトと連携して、仮想サーバー機の起動/停止をHinemosから実行できるようになる。そのほか、仮想サーバーと物理サーバーの対応付けも管理するほか、リソース情報など仮想サーバー機にエージェントを導入しただけでは分からない情報も得られるようになる。
VM管理オプションが最初に登場したのは、2009年5月。初期版で利用できるサーバー仮想化ソフトは、VMware ESX/ESXiに限られていた。その後、2009年11月に提供を始めた「VM管理オプション Ver1.1」でXenを、2010年2月に提供を始めた「VM管理オプション Ver2.0」でOracle VMを管理できるようにした。今回は、現行のVer 2.2.0を強化してHyper-VとKVMを管理できるようにした。
Hinemosの稼働環境と構成は以下の通り。エージェントとマネージャ間の情報のやり取りは、syslogやSNMP(Simple Network Management Protocol)/WBEM(Web-Based Enterprise Management)。エージェントの稼働OSはLinuxとWindows Server。マネージャの稼働環境は、JBoss(APサーバー)、OpenLDAP(LDAP)、PostgreSQL(DBMS)、syslog-ng(syslog)などで、稼働OSはLinux。管理コンソールはEclipse RCP(Rich Client Platform)である。