2008年2月1日で、Netscapeの名前の付いたWebブラウザのすべてのサポートが終了する。米国時間の07年12月28日に、Netscapeブランドのブラウザを提供する、米タイム・ワーナー傘下のAOLがNetscapeの公式ブログで明らかにした。2月1日まではセキュリティの不具合修正プログラムなどは提供するが、その後は最新版のNetscape9を含め全バージョンへのサポートを打ち切る。すでに海外では、多数のメディアがニュースとして報じている。
08年2月以降もNetspcapeブランドのWebブラウザを、AOLのWebサイト内からダウンロードして利用することはできる。だが、AOLは米モジラ・ファウンデーションが開発するオープンソースのWebブラウザであるFirefoxへの移行を強く促している。Netscapeに愛着のある利用者に対しては、FirefoxをダウンロードしてNetscapeのスキンと拡張機能を組み合わせて使うことを提案している。
実は最近のNetscapeブランドのブラウザは、Netscapeのスキンを採用しているものの、Firefoxにいくつかの機能を追加しただけのソフトに変わっている。最近では、Netscapeブランドのブラウザ開発にAOLで携わる技術者の数もごく少数になっていた。
Netscape NavigatorやNetscape CommunicatorといったNetscapeブランドのブラウザは、1990年代後半には市場シェアの大半を占めていた時期があったが、サポートが完全に終了することで消滅への道をたどることがほぼ確実となった。ただしAOLは、ポータルサイトのNetscape.comについては今後もサービスを続けるとしている。