三井住友銀行(SMBC)が次期勘定系システムの構築に動き出した。24時間無停止のオンラインサービス、勘定系データのリアルタイム分析、オープンイノベーションへの対応。目指すは銀行業務のデジタル変革だ。目標達成へメインフレームとオープン系を組み合わせたアーキテクチャーを採用。外部連携用のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)も整備する。銀行を取り巻く環境が様変わりする中、生き残りをかけた「銀行DX」の全貌に迫る。
IT企業の言葉でデジタル変革を表明
「メインフレームとオープン系のベストミックスなアーキテクチャー。システムが完成したあかつきには、サービスや機能は他のメガバンクに大きく先行できる」。三井住友フィナンシャルグループ(FG)のCIO(最高情報責任者)を務める、三井住友銀の増田正治取締役専務執行役員は、こう自信を見せる。
2021年度から新システムを順次稼働させ、メインフレームのハードウエア保守契約の期限切れに合わせて2025年度に機器の移行を終える。投資額は500億円と、2002年に旧住友銀行と旧さくら銀行の勘定系システムを統合した際の600億円に次ぐ規模となる。開発規模は2万人月を見込む。三井住友銀がシステム企画を担当する。システムの開発は日本総合研究所、運用は日本総研情報サービスがそれぞれ担う。
新システムで三井住友銀は何を目指すのか。一言で表現すれば「銀行DX」だ。既存のビジネスモデルの見直しから新たな事業の創出、自らの業務プロセスの質や効率の向上まで、銀行としてのあらゆる事業を変革する。