タイの最北の街・チェンライ。かつてはタイ北部を統治していたランナー王朝の都として栄えた場所で、チェンマイ同様“ランナー文化”と呼ばれる独自の文化が受け継がれている街です。さらに、ミャンマーやラオスの国境と接しているため、この土地ならではの名スポットも。バンコクやリゾートとは違う毛色のタイ旅行を求めるツーリストには、理想的な旅先でしょう。
今回は元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめが、チェンライのおすすめ観光スポットをご紹介します。
「ゴールデントライアングル」はタイ、ラオス、ミャンマーの3カ国がメコン川で接する地帯。昔は世界最大の麻薬・覚醒剤密造地帯のひとつとして知られたエリアですが、現在は経済成長や取締強化によって治安もよくなり、観光客も立ち入れるようになっています。チェンライを拠点に1日で3カ国を訪問も夢じゃありません。国境が身近にない島国に住む日本人にとっては、かなり興味をそそられるスポットですね!
<基本情報>
住所:Wiang Mueang Chiang Rai Chiang Rai
アクセス:チェンライ中心部から車で約1時間半
公式サイト(外部リンク)
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アーティストのチャルーンチャイ・コーシピパット氏が手掛けている寺院「ワット ロンクン」。1997年に着工されましたが、生涯に渡り建設を続けると発言しており、ポリシーに基づいて、現在もどこかが完成していません。
白を基調とした建物はチェンライの青い空に映え、繊細で緻密なデザインは息をのむほどの美しさ。仏教や神話の世界観を、芸術と交えながら表現したワット・ロンクンは、見る者を魅了します。
<基本情報>
住所:Pa O Don Chai Road, A. Muang, Chiang Rai, Pa O Don Chai, Mueang Chiang Rai District, Chiang Rai
アクセス:メーファールアンチェンライ国際空港から車で約35分
公式Facebook(外部リンク)
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“青の寺(ブルーテンプル)”として近年注目されている「ワット ロンスアテン」。こちらはチャルーンチャイ・コーシピパット氏の弟子によって作られた建築です。
規格外の瑠璃色尽くしで、本堂に一歩足を踏み入れると、そこはウズベキスタン・サマルカンドを彷彿とさせるような青一色の世界。規模は小さいのですが、壁・天井・床・柱に至るまで美しい紺碧で揃えられた空間の濃厚さは見事です。
<基本情報>
住所:Rim Kok, Mueang Chiang Rai District, Chiang Rai
入場料:無料
アクセス:チェンライバスターミナルから北へ約3.3km。チェンライを縦断する幹線道路パポンヨーティン通りを北上しコック川を渡ってすぐ
公式サイト(外部リンク)
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興味深い歴史を持つ寺院「ワット・プラ・ケオ」。バンコクにも同じ名前のお寺があり、別名“エメラルド寺院”として知られています。実はそのエメラルド寺院の仏像は、1436年、ここチェンライの寺院で発見されたもの。落雷が仏塔に落ち、その中からエメラルドの仏像が見つかったと言われています。その後、エメラルドの仏像はランパーンやチェンマイなどを転々とし、最終的に現在のバンコクへ安置されました。
現在、チェンマイのワット・プラ・ケオには信者によって寄進されたレプリカのエメラルドの仏像が鎮座しています。
<基本情報>
住所:Wieng Muang Chiang Rai, Chiang Rai
アクセス:チェンライ市内中心部より車で約20分
公式サイト(外部リンク)
“空を指す山”という意味を持つ「プーチーファー」。その名の通り、空を指差すかのように突き出ている頂が特徴的な山です。
乾季の11月から1月の間には、美しい雲海が広がる、タイ国内でも珍しいスポット。特に神々しい御来光とのコラボは感動的です。時が刻まれるとともに段階的に色味が変わっていく景色は、いずれもその瞬間だけのものですね。
<基本情報>
住所:Tapon Wiang Kaen, Chiang Rai
アクセス:メーファールアンチェンライ国際空港から車で約2時間
公式サイト(外部リンク)
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黒い外観が印象的な「バーン ダム ミュージアム(ブラックハウス)」。鮮やかな寺院が多いタイで、この黒の建物が新鮮かつスタイリッシュにも感じられます。
このミュージアムには、人間国宝といわれているチェンライ出身の芸術家アチャーン・タワン・ダッチャニーの絵画が展示されています。そのほか、敷地内にはタイ北部建築様式で造られた建物、民芸品などを展示する建物の計36軒が。旅でインスピレーションをもらいたい方には、格好のアートスポットです。
<基本情報>
住所:414 1 Tambon Nang Lae, Amphoe Mueang Chiang Rai, Chiang Rai
アクセス:チェンライ市街地から車で約20〜30分
公式サイト(外部リンク)
小高い丘の上にある「ワット フアイ プラカン」は、2001年に修行者のための建立された寺院。純白の高さ69mもある巨大な観音像があり、内部はエレベーターで上ることができます。23階の窓からは美しいチェンライの街並みを一望することが可能。ランナーと中国の文化がミックスされた9階建ての仏塔も、たいへん印象的です。
<基本情報>
住所:553 Moo 3 Tambol Rimkok, Amphoe Mueang Chiang Rai, Chiang Rai
アクセス:チェンライ市内から車で約20分
公式サイト(外部リンク)
タイ最大のビール製造会社“シンハービール”が運営しているテーマパーク「シンハー パーク」。東京ドーム約270個分という広大な敷地内で、さまざまなアクティビティに興じることができます。
お茶を自分でブレンドしたり、動物にエサをあげたり、サイクリングで体を動かしたり…ビール会社の施設だけど、ファミリー向け!もちろん施設内のレストランでは、生ビールで喉を潤すこともできます。大人のお楽しみもちゃんとあるのでご安心を。
<基本情報>
住所:99 Moo 1, Mae Korn, Amphoe Chiang Rai, Chaing Rai
アクセス:チェンライ中心部から車で約20分
公式サイト(外部リンク)
街の中心部にある黄金の「時計塔」。こちらも“ワット ロンクン”を建築したチャルムチャイ・コーシッピパット氏によって2008年に設計されました。毎晩19時、20時、21時になるとカラフルにライトアップがされるので、ナイト・バザールを訪れる際に足を止めてみてはいかがでしょう?
ちなみに、かつてここに置かれていた旧時計塔は約400m北の交差点に移動。現在のゴージャスな時計塔とは違ってたいへんシンプルなものなので、ぜひ両方を見比べてみてくださいね。
<基本情報>
住所:Phaholyothin Rd. Muang, Chiang Rai
アクセス:バスターミナルから徒歩8分
日本からチェンライに行くには、バンコクなどで乗り換えが必要となります。またバンコクやチェンマイなどと合わせて2都市周遊で訪れるスタイルが人気。1泊だと少し慌ただしくなるので、今回はチェンライの醍醐味を味わう2泊の旅をご紹介します。
【チェンライ・モデルコース一例】
<1日目>
バンコクから国内線で約1時間20分、チェンライに到着。ホテルに荷物を預けたら、この旅のお目当てであった「ワット ローンクン」へ。芸術的な白の世界に刺激される。続いて「ワット ロンスアテン」へ行き、青の世界もたっぷり堪能。到着早々、素晴らしい建築物たちに圧倒される。あっという間に日暮れとなり、街中でカオソーイを食べ、ホテルへ戻る。
<2日目>
朝食後、予約しておいたオプショナルツアーで「ゴールデントライアングル」へ。メコン川の雄大さ、そして3カ国の国境が接しているという貴重なスポットに大興奮!ミャンマーとの国境のにある街“メーサイ”も訪問。街歩きを楽しみながら、民芸品を買い、少数民族の料理“カオレムフン”を昼食で食べてみる。午後は「バーンダム博物館」へ。芸術鑑賞の後は、このツアー最後の目的地「ワット プラ ケオ」でエメラルドの仏像を拝見。レプリカとは言え、輝くような緑の美しさに驚かされる。ツアー解散後は、自分たちでナイト・バザールへ。可愛らしいゾウの置物や日本でも使えそうなポーチなどを購入。タイ料理を食べ、ビールも飲み、黄金の「時計塔」を見てからホテルに戻る。
<3日目>
チェンライ最終日。タクシーでさっと「ワット フアイ プラカン」へ行くことに。巨大な観音像の中にあるエレベーターに乗り、観音像の“目”からチェンライを一望。自分たちが観光した場所を辿るように、しばし眺める。惜しまれつつも、チェンライとお別れの時間。空港へ行き、国内線でバンコクへ。
雲海が見れる「プーチーファー」や、広大なテーマパーク「シンハー パーク」を訪れるなら、もう1泊ほど延ばすと余裕を持って過ごすことができるでしょう。
チェンライで自力で移動する場合は、タクシー、トゥクトゥク、ソンテウを利用することになります。国境付近など少し距離がある移動をするなら、帰りの足を考えると1日ツアーなどを利用した方が安心かつ便利です。
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芸術的な寺院、3カ国が接する国境、そして豊かな自然が揃うチェンライは、バンコクやプーケットとは違うタイ旅行が体験できる観光地です。数回目のタイ旅行なら、旅程にチェンライをプラスすると新鮮味を加えることができるでしょう。
チェンライはタイの北部にあるので、肌寒く感じることも。旅行する際には、羽織物などを用意しておくと安心です。
(文:木内つばめ)
2024年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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