登山にはゴアテックス信仰のようなものがあります。
たしかにゴアテックスのレインウェアは素晴らしく、休憩中にレインウェアから蒸気がモウモウと出てる姿を見たときは感動しました。
でも帽子のゴアテックスの購入はちょっと待ってほしい。
そもそも帽子にゴアテックスって本当に必要?
今回はそんな登山用のゴアテックス帽子の話です。
登山にゴアテックスの帽子は必要か
ゴアテックスとは?
簡単に説明すると、雨を通さず湿度は通す魔法のような素材です。詳しい話はwiki先生に任せましょう。
ゴアテックスは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)を延伸加工したePTFEフィルムとポリウレタンポリマーを複合化して作る。1969年にボブ・ゴアが、PTFEを用いた低コストなシールテープを作るための実験の中で、押し出しPTFEを急速に大きく延伸させることに成功した。
1平方センチメートルに14億個の微細な孔を含む。その最大の特徴は、防水性と透湿性を両立させていることにある。
つまり、水蒸気は通すが雨は通さない。通常、ナイロンなどの生地でゴアテックスを挟んで使用するが、表面生地の撥水性が落ちたり完全に水没している場合は、表面に水の膜ができるため、水蒸気を通さなくなり蒸れてしまうので注意が必要である。
ざっくり言うと防水性・透湿性・防寒性に強い素材なのです。昔はこんな便利な素材がなかったので、「ゴアテックスは画期的な発明だー」なんて言われてたり。
大げさな表現に聞こえるけど、ゴアのお陰でたくさんの登山家が生還できてるわけなので、あながち大げさな表現じゃないんですよね。それほどゴアテックスは素晴らしい。
なら登山ハットもゴアがいいよね?
いえいえ、そうならないのが登山ウェアの難しいところなのです。
ゴアテックスの帽子は蒸れる!
こちらは僕の登山開始の写真。
頭にはホグロフスの登山ハット、こいつにはゴアテックスが使われており雨を弾いてくれます。内側はメッシュの生地が合わせられてます。
そして登山開始から数時間後・・・
お分かりいただけただろうか・・・
帽子を脱いでる!!
そうです、ゴアの帽子は蒸れて熱いのです!
透湿性の高いゴアなのになぜか?それはゴアの素材に原因があるのです。
ゴアの帽子は通気性が良くて快適はウソ
これが綿の帽子だったら汗を吸ってくれるのですが、ゴアは素材の性質上ぜんぜん汗を吸ってくれません。ベタつきを防ぐためメッシュ生地を張るなどメーカー毎に工夫していますが、大量に汗をかきやすい頭はどうしても帽子内が蒸れます。
ゴアは確かに蒸気を逃します。しかし、大量に湿度が高くなると性能がとたんに低くなり透湿性が悪くなります。そのため帽子の中が熱いのなんの。
そりゃ帽子を脱ぎたくもなります。
ゴアテックスは汗を吸わない!
なのでゴアの帽子を被るなら工夫が必要なのです。
頭に手ぬぐい・タオルを巻いてから被る
変に見えるかもしれませんが、頭に一枚手ぬぐいやタオルを巻いておくと快適です。僕はもともとタオルを巻く登山スタイルなので気になりませんが、他の人から見ると変かもしれませんねw
タオルだと厚みがあるので帽子をすっぽり被りにくいです。手ぬぐいだったらまだマシですね、登山中は適度に帽子を脱いで、排熱しておきましょう。
ゴアは雨天で真価を発揮する!
雨の日にはゴアの帽子がかかせません。
横殴りの豪雨ならフードを被りますが、僕の使うハットはツバが広めで雨をかなり防いでくれます。そのためフード無しでも首に雨が入りにくいです。フードを買うならツバの広いタイプがオススメですね。
まぁ僕の頭が大きすぎて、フードを被ると窮屈だから被らないってのが理由なのはここだけの話。
雨天のゴアハットは本当に便利
綿のハットなら雨で顔がビショビショになりますが、ゴアテックスの帽子なら全然水が垂れてきません。汗をなるべくかかないよう歩く必要はありますが、雨天のゴアハットは最高に便利です。
雨のときはゴアハット以外ありえないってくらい快適。まぁ頭は相変わらず熱いし、透湿性は弱まりますが雨で濡れまくるよりマシでしょう。
ハットとキャップ、どちらを選ぶ?
ハットとキャップスタイルのどちらが良いか。
登山は自分の見た目もモチベーションに繋がるので好きな方を選べば良いです。
ただ、性能的にはハットが勝ります。
キャップのデメリット
- 耳が日焼けする
- 首の日焼けを防げない
- アゴ紐がない
草木が生えにくくなる森林限界では風が強いため、アゴ紐のない帽子は吹き飛びやすい。日焼けのダメージも大きい。これらデメリットは全てハットのメリットに繋がります。
あくまでも好みで選べば良いのですが、機能面ではこれだけ差があることも覚えておきましょう。
ゴアテックスの帽子のメンテナンス方法
手洗いで優しく洗いましょう。
洗剤は柔軟剤や漂白剤の含まれてないものを使用します。
登山で有名なのはスーパーナノックスですね。何度も言いますが、登山で使う衣類はスーパーナノックスで洗いましょう。
洗剤はスーパーナノックス
スーパーナノックスなら登山ウェアの性能を損なうことなく洗うことができます。柔軟剤や漂白剤が含まれていると、ウェアに不要なコーティングを行い性能が落ちると言われてるので気をつけたいところ。
そして陰干しして、湿ってるうちにニクワックスを散布します。
スプレータイプですが雫が大きいので、拭いて伸ばすこと。伸ばさないまま放置すると白い跡が残ります。
ニクワックスで防水透湿を復活
NIKWAX ウェア用撥水剤/専用洗剤 | 株式会社エバニュー
これは便利なので1本持っておくことをオススメします。ゴアの靴にも使えるので利用頻度は高いです。『ゴアテックスにはニクワックスが最強』と覚えておきましょう。
ゴアテックスの帽子の特徴まとめ
- よく見かける快適性には程遠く、帽子内は暑い
- 帽子自体が汗を吸わなず、汗をかきすぎるとゴアの意味がない
- 夏の使用はオススメしない
- 1枚タオルや手ぬぐいを被ると蒸れにくい気がする
- 雨の日はかなり快適
- スーパーナノックスで手洗い洗濯
- 洗った後はニクワックスでメンテナンス
雨を通さないので雨天時は本当に便利です。ただ、夏場は暑くて暑くて・・・通気性は全然よくないです。これらの特徴を知った上で使用しましょう。
オススメはハット、ツバの広いタイプほど良いです。
ノースフェイスのハットは使いやすいですね。色んなバリエーションもあり、オシャレでかっこいい。山頂は風が強いので、アゴ紐ついてるタイプがおすすめ。
個人的にはゴアテックスじゃないのですが、ラフに使えるコロンビアのハットが好きです。コットン生地のハットが多いので、汗をガンガン吸います。
コロンビアのハットもオシャレなデザインが多くて良いですね。
僕はいくつかの登山用帽子を持ってますが、コロンビアは本格的な登山ブランドにないユルさを持ってるので気に入ってます。
ホグロフスも僕の愛用してる帽子の1つ。裏地がメッシュだったり、シルエットが良かったり、取扱店が少ないので使用してる人が少ないってのも魅力。
ゴアテックスの帽子の特徴を知り、自分にあった帽子を選びましょう。
隊長でした、ほんだば!