【武田修宏の直言(2)】世界的ストライカーは誕生するのか。元日本代表FW武田修宏氏(57)がサッカー界を語る連載の第2回。高校サッカー出身者に点取り屋が多い理由を独自考察した。

 Jリーグ発足後、高校サッカー出身者とクラブユース育ちと2極化が進んだ。武田氏は「クラブでは高い技術などを学べるし、いろいろな専門的なことを勉強できる」とした一方「高校ではサッカー以外の面でも部員と一緒にいることが多いからコミュニケーションが深められるとかね。どちらが『良い』というわけではないけど」という。

 現在の森保ジャパンでは、高校サッカー出身者よりも、MF遠藤航(リバプール)やMF三笘薫(ブライトン)、MF久保建英(レアル・ソシエダート)らクラブ育ちの選手が多く選出されているように時代は移り変わってきている。しかしストライカーに関しては歴代の日本代表で、高校サッカー出身の選手の方が結果を出していると、武田氏は見ている。

「柳沢(敦)だったり大久保(嘉人)、高原(直泰)、岡崎(慎司)もそうだし、大迫(勇也=神戸)とか。歴代の代表FWは高校サッカー出身の方が多いんじゃないかな。選手権は全国テレビ中継があり、県予選も地方でテレビ中継があるから一般の方に見てもらえる機会は多い。注目されることで刺激になるし、意識も高くなる」

 森保ジャパンでもFW古橋亨梧(セルティック)やFW上田綺世(フェイエノールト)、FW小川航基(NEC)らはJクラブ育ちではない。

 武田氏は「学校生活を通じてサッカー以外の面でも、チームメートと切磋琢磨するし、より近い関係になることで責任感も増していく。それに練習も厳しいからメンタルが鍛えられる。特にFWにとっては技術よりもメンタルの方が大事だから高校出身のストライカーが多いんじゃないかな」と分析していた。