決断の理由とは――。全日本プロレスは所属のジェイク・リー(33)が契約満了につき、12月31日付で退団すると8日に発表した。3冠ヘビー級王座を2度戴冠した中心選手離脱の衝撃は大きく、師走のマット界に波紋が広がった。将来的な団体エースとしての活躍を渇望されながら、なぜ唐突に映る行動に出たのか。その胸中を語った。
――TAJIRI、イザナギとともに12月31日付で退団する。理由は
ジェイク 人生、一度しかないから挑戦したい。すごくザックリ言えばこれになります。
――考え始めたのは
ジェイク 心の中で決めたのは、今年の年初です。昨年末に(鼻骨骨折、左眼窩内側壁骨折の)ケガをして3か月くらい欠場したんですけど、そこから取り戻し、さらにそれ以上のものを見せるにはどうしたらいいかを考えました。その時に背水の陣じゃないですけど「この1年が勝負だ」っていう気持ちをつくりたかったので考え始めました。そのくらいの気持ちでやらないと団体の創設50周年というものに何も影響を与えられないし、後悔すると思ったので。
――会社に伝えたのは
ジェイク 7月くらいですね。そこからいろいろ話をして、正式に決まったのはつい最近です。
――今後については
ジェイク 今月の13日にやっと帰化申請の面接なんです。僕は韓国籍で、パスポートを作ろうにも韓国に住所がなくて作れず、海外にも行けなかった。だから海外に行きたいっていうのが気持ちの中にあって。今回、うまくいけば、来年の春から夏にかけて海外っていうのは明確に見えてきますよね。
――なぜ海外なのか
ジェイク どんな選手がいるのか見て、体験したいからです。こんな仕事って、普通できないじゃないですか。だから、この仕事ならではのことを経験したいなって。あと、海外に行ったら柔術の試合にも出てみたいんですよね。自分の体のサイズ(192センチ、115キロ)の選手も海外ならたくさんいるし。そこでボコボコにされてもいいと思うんですよ。とにかくそういうのもトライしたりできたらなって。アメリカ以外にも海外はいっぱいあるので。
――国内での活動は
ジェイク まだ当たったことのない選手はすごく多いので、そういう選手たちとやりたいです。実は、当たったことのない中で気になる選手が何人かいるんですよ。誰かって? それはまだ秘密です(ニヤリ)。
――所属として21日新木場大会と25日後楽園ホール大会の2試合がある
ジェイク 最後も変わらないです。特別なことをやろうという気持ちはなくて、今まで通りお客さんにどれだけ楽しんで帰ってもらえるかっていうこと。その上で「最後」と言ってもこの業界は狭いので。これで終わりじゃなくて、次に何が生まれるかっていうのを想像しながら戦いたいなと思います。
――退団後〝古巣〟のリングに上がる可能性は
ジェイク ケンカしたわけじゃないし、時が来ればそういうことがあるかもしれないですね。いろんなことを経験させてくれた全日本には感謝しかないですから。