獰猛なヒグマに襲われながら、ナイフでとどめを刺し、一命を取り留めたロシア人ボクサーが元気な姿を見せ、五輪金メダリストらから称賛の声が寄せられている。
2012年ロンドン五輪ボクシング男子ライトヘビー級金メダリストのエゴー・メコンチェフ(ロシア)は、ロシアのボクシングイベントで、顔に傷を負い、鼻などが変形した男性との写真を撮影し、インスタグラムに投稿。「真のヒーロー」と称した。
この男性は、2019年軍隊ボクシング選手権64キロ級王者のイリヤ・メドベージェフ。昨年10月、友人とシベリアのイルティシュ川で釣りをしていたところ、ヒグマに襲われた。友人は死亡。ヒグマは次にメドベージェフに襲いかかった。銃で4発打ち込んだが効果はなく、熊に銃を奪い取られてしまった。絶対絶命のピンチだが、メドベージェフは立ち向かい、ナイフでグサリとひと刺し。返り討ちにした。
メドベージェフはすぐに病院に搬送。頭と体に重傷を負い、昏睡状態で、集中治療を受けた。国際ボクシング協会のウマル・クレムレフ会長が、治療費負担を明言するなど、各方面から応援の声が寄せられた。治療のかいあり、一命を取り留め現在は療養中。今後、以前と変わってしまった顔の再建手術を受ける予定だという。
メコンチェフは「ボクシングと、生きたいという願望が、彼に電光石火の速さで決断を下させ、生きるのに役立ったと確信している。よくやったメドベージェフ!本物のファイターだ!」と称賛している。