STS-89
名称:STS-89
オービター名称:エンデバー
打ち上げ国名・機関:アメリカ/アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:1998年1月22日
着陸年月日:1998年1月31日
宇宙飛行士:テレンス・W・ウィルカット/ジョー・F・エドワード/ボニー・J・ドゥンバー/マイケル・P・アンダーソン/ジェームス・F・レイリー/サリザン・サキロビッチ・シャリボフ/アンドリュー・S・W・トーマス
飛行時間:211時間48分
STS-89エンデバーは、STS-71のアトランティスから始まって7回目となる、ロシアの宇宙ステーション・ミールとのドッキングを行ないました。
ドッキングは約5日間にわたって行なわれ、その間、アメリカとロシアの宇宙飛行士たちは共同作業を行ない、ミールへの補給物資として、飲料水や食料、科学実験用の備品など、たくさんの荷物をエンデバーから運び入れました。
宇宙飛行士の交換も行なわれ、1997年9月打上げのSTS-86アトランティスから乗り移り、約4カ月間のあいだミールに留まって、科学実験などを行なっていたアメリカ人宇宙飛行士デービッド・A・ウルフが、アンドリュー・S・W・トーマス宇宙飛行士と交替しました。
エンデバーではまた、約10日間の飛行中にさまざまな科学実験が行なわれ、その後、デービッド・A・ウルフ宇宙飛行士を連れて地球に帰還しました。
1.どんな形をして、どのような性能を持っているの
スペースシャトル・エンデバーは、オービター(軌道船)と呼ばれる有人宇宙船(エンデバー)と、それを打ち上げるための固体燃料ブースターロケット2基、液体燃料を入れてある外部タンクからなっています。全体の長さは56m、高さ23m、重さ2,000tで、オービターだけの長さは37m、高さ17m、重さ85tです。外部タンクは使い捨てですが、オービターとブースターロケットはくりかえし使われます。
2.打上げや飛行の順序はどうなっているの?
ブースターロケットの噴射と、外部タンクの液体燃料を使うオービターの噴射で打ち上げます。2分後に、燃料の燃えつきたブースターロケットが切り離され、パラシュートで落下します。8分後、高度250kmから400kmに達したとき外部タンクが切り離され、オービターは軌道修正用エンジンで地球周回軌道に乗ります。オービターが地球に戻るときは、グライダーのように滑空しながら着陸します。
3.宇宙飛行の目的は?
ロシアの宇宙ステーション「ミール」とのドッキング計画です。
4.宇宙でどんな活動をし、どのような成果をおさめたの?
宇宙ステーション「ミール」とドッキングし、アメリカとロシアの宇宙飛行士たちによるさまざまな共同作業が行なわれました。
※参考文献:「Newton CollectionII 宇宙開発」竹内 均・監修(教育社)1992年発行「SPACE ATLAS 宇宙のすべてがわかる本」河島信樹・監修/三品隆司・著(PHP研究所)1995年発行
STS-89
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 02:13 UTC 版)
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ミールとドッキングするエンデバー | |
任務種別 | シャトル・ミール計画 |
---|---|
運用者 | NASA |
COSPAR ID | 1998-003A |
SATCAT № | 25143 |
任務期間 | 8日19時間48分04秒 |
飛行距離 | 5,800,000 km |
特性 | |
宇宙機 | エンデバー |
着陸時重量 | 114,131 kg |
ペイロード重量 | 7,748 kg |
乗員 | |
乗員数 | 7 |
乗員 | テレンス・ウィルコット ジョー・エドワーズ・ジュニア ジェームズ・レイリー2世 マイケル・アンダーソン ボニー・J・ダンバー サリザン・シャリポフ |
打ち上げ | アンディ・トーマス |
着陸 | デヴィッド・ウルフ |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 1998年1月23日 02:48:15(UTC) |
打上げ場所 | ケネディ宇宙センター第39発射施設A |
任務終了 | |
着陸日 | 1998年1月31日 22:36(UTC) |
着陸地点 | ケネディ宇宙センター第15滑走路 |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
近点高度 | 359 km |
遠点高度 | 382 km |
傾斜角 | 51.60° |
軌道周期 | 92.0分 |
後列:左から、ウルフ、シャリポフ、レイリー、トーマス、アンダーソン 前列:左から、エドワーズ、ウィルコット、ダンバー |
STS-89は、エンデバーを用いてミールを訪れたスペースシャトルのミッションである。1998年1月22日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。
乗組員
- 船長 - テレンス・ウィルコット (3)
- 操縦手 - ジョー・エドワーズ・ジュニア (1)
- ミッションスペシャリスト1 - ジェームズ・レイリー2世 (1)
- ミッションスペシャリスト2 - マイケル・アンダーソン (1)
- ミッションスペシャリスト3 - ボニー・J・ダンバー (1)
- ミッションスペシャリスト4 - サリザン・シャリポフ ,RKA (1)
- ミッションスペシャリスト5(打上げ時) - アンディ・トーマス (2)
- ミッションスペシャリスト5(帰還時) - デヴィッド・ウルフ (2)
ハイライト
STS-89は、ミールを訪れることが計画された9回のミッションのうち8回目であり、アメリカ人宇宙飛行士の交代は5回目となった。1997年9月からミールに滞在していたデヴィッド・ウルフは、アンディ・トーマスと交代した。トーマスは、5月末のSTS-91で地球に帰還するまで、約4ヵ月を軌道上のロシアの施設で過ごした。このミッションの間、3,175kg以上の実験機器や補給品が2つの宇宙船の間で移動された。
実験とペイロード
スペースハブのペイロードとしては、Advanced X-Ray Detector (ADV XDT)、Advanced Commercial Generic Bioprocessing Apparatus (ADV CGBA)、EORF、Mechanics of Granular Materials (MGM) Experiment、Intra-Vehicular Radiation Environment Measurements by the Real-Time Radiation Monitor (RME-1312)、Space Acceleration Measurement System (SAMS)、VOA、そしてISS内の水回収システムのためのVolatile Removal Assembly prototypeがあった。
キャビンのペイロードとしては、Microgravity Plant Nutrient Experiment (MPNE)、Shuttle Ionospheric Modification with Pulsed Local Exhaust (SIMPLEX)、Closed Equilibrated Biological Aquatic System (CEBAS)、TeleMedicine Instrumentation Pack (TMIP)、Global Positioning System Development Test Objective (GPS DTO)、Human Performance (HP) Experiment、MSD、EarthKAM、Orbiter Space Vision System (OSVS) Shuttle Condensate Collection (RME-1331)、Thermo-Electric Holding Module (TEHM)、Space Linear Acceleration Mass Measurement Device (DSO 914)、Co-Culture Experiments (CoCult)、Biochemistry of 3-D Tissue Engineering (BIO3D)があった。
ゲッタウェイスペシャルの実験には、ミシガン大学のG-093 - Vortex Ring Transit Experiment (VORTEX)、ドイツ航空宇宙センターとユストゥス・リービッヒ大学ギーセンのG-141 - Structure of Marangoni Convection in Floating Zones Payload、ドイツ航空宇宙センターとクラウスタール工科大学のG-145 Glass Fining Experiment、中国科学院のG-432 canisterによる5つの結晶成長と材料実験があった。
ミッションの徽章
徽章には、地球の上でミールとドッキングするエンデバーが描かれている。数字の「8」の形の白い線と9つの星は、このミッションがSTS-89であることを象徴している。背景には、国際宇宙ステーションが描かれている。
関連項目
外部リンク
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