[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

DTCP-IPとは? わかりやすく解説

ディーティーシーピー‐アイピー【DTCP-IP】


Digital Transmission Content Protection

(DTCP-IP から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/06 08:14 UTC 版)

Digital Transmission Content Protection(デジタル伝送コンテンツの保護)(以下DTCPと表記する)は、Digital Transmission Content Protectionはホームネットワーク/パーソナルネットワーク内で、コピー防止を目的として使用される著作権保護技術である。テレビなどに使われる。DTCPの中でも、DTCP-IPはDLNAと共に使用され、家庭内の孫コピーの禁止された地上デジタルBSデジタルCSデジタルの映像配信に主に使用されている。

DLNAをサポートしている商品でも、DTCP-IPを同時にサポートしているとは限らない。DLNAのみをサポートしている商品では日本のデジタル放送は配信できない(アナログ放送のみの配信となる)。DLNA Networked Device Interoperability Guidelinesが2006年10月に拡張され、DLNAデバイスがDLNA Link Protectionをサポートする時にはDTCP-IPが必須となった[1]

なお本規格が採用されているのは日本のみであり典型的なガラパゴス規格の1つでもある。

概要

ホームネットワーク/パーソナルネットワーク内での音声映像動画)のコピー防止の目的で使用される暗号化方法で、日立インテルパナソニックソニー東芝(5C)によって作成された。この5社によって設立されたDigital Transmission Licensing Administrator, LLCが、ライセンス管理を行っている。主に画像・音声データーの配信プロトコルであるDLNAと共に使用される。当初はIEEE1394-1995シリアル・バス用に制定されたが、後にTCP/IP用に拡張された。接続形態はサーバークライアントであるので、ネットワークの中に最低1台のサーバーが必要である。クライアント同士の接続はサポートされていない。DTCPではサーバーをSource Device、クライアントをSink Deviceと呼称している。

詳細

DTCPは、USBMOSTBluetoothIEEE1394 (FireWire、i.LINK)WirelessHD英語版IPの各種通信プロトコル上で実現されている。IP上で実現されているDTCPはDTCP-IPと表現される。暗号化方法としては、DTCP-IPでは128ビットAESが使用され、他のプロトコルにおいてはM6英語版が使用されている。

DTCP-IP

DTCP-IPはIPを使った通信すべてをカバーするものではなく、家庭内ネットワーク領域での用途に限定している。そのためTTLRTTに制約を設けている。TTLは3以下、RTTは7ms以下である。TTLはルーターを経由する度にデクリメントされる値で0となったパケットはネットワーク上に現れることはない。TTLが3の場合ルータを2つしかまたぐことが出来ないことを意味する。RTTは通信の往復にかかる時間であり、ルーターのホップ数や通信の距離などに制約をかける意味がある。

対応機種

以下より、DTCP-IPに対応した製品を列挙する。クライアント製品とサーバー製品に分かれており、クライアント製品としてはTVが、サーバー製品としてはレコーダーが主に上げられる。

  • ソニー
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
      • PS3 20G, 40G, 60G, 80G, 120G(20G~120Gはファームウェア3.00より), 160G, 250G, 320G。
      • VAIO Media plus Ver.1.1以降 (ソニールームリンクに対応したソニー製ブルーレイディスクレコーダーを使う場合)
      • VAIO Media plus Ver.2.0以降 (VAIOオリジナルソフトウェア「Giga Pocket Digital」Ver.2.0以降を使う場合)
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • BDZ-A950, BDZ-A750, BDZ-X100, BDZ-X95, BDZ-L95, BDZ-T75, RDZ-D97A, RDZ-D77A, DZ-X90, BDZ-L70, BDZ-A70, BDZ-RX105, BDZ-RX55, BDZ-RX35, BDZ-EX200, BDZ-RX100, BDZ-RX50
      • VAIO Giga Pocket Digital Ver.2.0
  • パナソニック
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • ブルーレイDIGA DMR-BW730/830/930, BW750/850/950, BW770/870/970, BW680/780/880
      • BWT1000/2000/3000, BW690/890, BWT1100/2100/3100
      • DMR-BF200, DMR-BRT300, DMR-BWT500, DMR-BZT600/700/800/900, DMR-BRT210, DMR-BWT510, DMR-BZT710/810/910, DMR-BZT9000 , DMR-BZT720/820/920
      • STB TZ-WR320P
  • シャープ
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
    • ※下記のテレビはDTCP-IPムーブ/ダビングにも対応
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • BD-T2100,BD-T1100,BD-T510,BD-W1100,BD-W510,BD-W2000,BD-W1000,BD-W500,BD-HW51
    • ※上記レコーダーはDTCP-IPムーブ/ダビングにも対応
      • BD-HDW80,BD-HDW75,BD-HDW73,BD-HDW700,BD-HDW70,BD-HDW65,BD-HDW63,BD-HDS65,BD-HDS63,BD-HDW55,BD-HDW53,BD-HDS55,BD-HDS53
  • 東芝
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • RD-A300/A600/A301,
      • RD-S302/S502/S303/S503/S304K/S1004K
      • RD-X7/X8/X9/X10
      • RD-BR600/RD-BR610
      • RD-BZ700/BZ800/RD-BZ710/BZ810
  • 日立
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • UT47-XP800(B/W), UT42-XP800(B/W), UT37-XP800(B/W), UT32-XP800(B/W)
      • L50-XP03, L46-XP03, L42-XP03, L37-XP03, L32-WP03, L42-HP03, L26-HP05, L22-HP05
      • P50-XP03, P46-XP03, P42-XP03, P50-XP035, P46-XP035, P42-XP035
      • L37/L42-ZP05, L32/L37/L42/P42/P46/P50-XP07, L32/L37/L42/P42/P46/P50-XP08
  • アイ・オー・データ機器
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
      • AV-LS700,AV-LS500LE
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • HVL-AVシリーズ、HVL4-Gシリーズ、HVL1-Gシリーズ
      • DiXiM Media Server 3 for mAgicTV, DiXiM Media Server 3 for Media Center TV
  • バッファロー
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
      • LTH-90WH,LTH-90DTV,LTH-91LAN,LTH-91DTV
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • LS-XHLシリーズ,LS-AVL/Aシリーズ
  • NEC
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • DiXiM Media Server for NEC, ホームネットワークサーバー powered by DiXiM
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
  • 富士通
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • NetworkPlayer サーバー(DTCP-IP対応版)
    • DTCP-IP Sink Device(クライアント)
      • ARROWSシリーズスマートフォン・タブレット
  • ピクセラ
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • DiXiM Media Server 3 for StationTV
  • auひかり
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • ST1100R
  • ひかりTV
    • DTCP-IP Source Device(サーバー)
      • IS1050

制限事項

東芝のレコーダーの記録方式で、TSEで記録された画像はDTCP-IP/DLNAで配信できない。

沿革

  • 2000年
    • 7月14日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.1
  • 2002年
    • 2月25日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.2a
  • 2004年
    • 1月7日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.3
  • 2005年
    • 2月28日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.4
  • 2007年
    • 6月15日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.5
    • 10月1日:Digital Transmission Content Protection Specification Volume 1 Revision 1.51

脚注

関連項目

外部リンク


DTCP-IP

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 17:09 UTC 版)

Digital Transmission Content Protection」の記事における「DTCP-IP」の解説

DTCP-IPはIP使った通信すべてをカバーするものではなく家庭内ネットワーク領域での用途限定している。そのためTTLRTT制約設けている。TTLは3以下、RTTは7ms以下である。TTLルーター経由する度にデクリメントされる値で0となったパケットネットワーク上に現れることはない。TTLが3の場合ルータ2つしかまたぐことが出来ないことを意味するRTT通信往復にかかる時間であり、ルーターホップ数通信の距離などに制約をかける意味がある

※この「DTCP-IP」の解説は、「Digital Transmission Content Protection」の解説の一部です。
「DTCP-IP」を含む「Digital Transmission Content Protection」の記事については、「Digital Transmission Content Protection」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「DTCP-IP」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「DTCP-IP」の関連用語

DTCP-IPのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



DTCP-IPのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【DTCP-IP】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのDigital Transmission Content Protection (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのDigital Transmission Content Protection (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS