1900-1940年代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:17 UTC 版)
「ジャズドラム」の記事における「1900-1940年代」の解説
ドラマーたちとその演奏するリズムは、ラグタイムやその他諸々のダンス曲を演奏するダンスバンドの伴奏として働いており、ジャズは後からやって来る。こうしたバンドでは、スネアドラム担当とバスドラム担当の2人のドラマーがいるのが普通であった。しかし、さまざまな要因(経済的な理由も少なからずあった)から、結局はドラマーの数は1人へと削減され、このために打楽器奏者は複数の楽器を演奏する必要が生じ、そこでドラムセットが生まれた。最初のドラムセットもまた軍楽のドラムから始まったが、後には幅広い音を作り出すため、また新味をアピールするために、さまざまな他の付属的な楽器が追加されてゆく。 最も一般的な追加品としてはウッドブロック、タムタム(大きな、2つのヘッドがある太鼓)、カウベル、シンバルなどであったが、他にもドラマーが追加しようと思い付いたありとあらゆるものが追加された。こうしたセットアップの生む音の特徴は「チャカチャカした」(ricky-ticky)とでも言い表せるであろう――ほとんど響きのない物体をスティックが叩くノイズである。とはいえ、ドッズを含むドラマーたちは、演奏の大半をバスドラムとスネアドラムに集中させていた。1920-30年代には、ジャズの黎明期が終わりつつあり、ジーン・クルーパ、チック・ウェッブ(英語版)、バディ・リッチといったスウィング・ドラマーたちが、前世代の達人たちが敷いた基礎をもとに実験を始めた。しかしながら、こうしたドラマーたちによる技巧的な名人芸の披露は、もう少し後になると根底となるリズム構造とジャズの美学の決定的な変化によって置き換えられてゆくことになる――ビバップと呼ばれる時代である。
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